春になると、日本海全域と太平洋の一部で獲れるホタルイカ。腕や腹部に発光器を持ち、蛍のように青く光ることから名づけられたと言われています。夜に定置網によって獲れるホタルイカですが、富山県の富山湾では、幻想的な網揚げの光景が国の特別天然記念物になっている程です。ホタルイカのシーズンは3月~5月。頻繁にスーパーに並ぶものではありませんが、この旬の時期にぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
タウリンの効果で肝機能の改善に
ホタルイカは含硫アミノ酸であるタウリンを多く含んでいます。イカ・タコなどの軟体動物に多く含まれており、するめの表面に見られる白い粉はタウリンが凝縮したものです。ヒトにも心臓をはじめ筋肉や肝臓などに含まれています。「身体を正常に保持する性質(恒常性)」を持つタウリンは、血圧を正常に保つ作用も。さらに、肝細胞再生の促進や胆汁酸分泌を促すことで肝機能の改善も期待でき、脂肪肝改善にも効果があるという報告があります。
ビタミンEや銅も豊富
ビタミンEは、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミン。紫外線やストレスなどの要因により、活性酸素が増加してシミやしわなどの老化の原因になります。強力な抗酸化作用をもつビタミンEは活性酸素と結合して細胞を酸化させるのを防ぐことで老化防止につながるのです。さらにビタミンEは毛細血管を拡張する作用があるため、冷えや肩こりなどの血行不良による末梢循環障害の改善につながります。
銅は鉄から作られるヘモグロビンを運ぶために重要な栄養素であるため、銅不足により貧血になることが知られています。さらに身体の中で酵素となって働き、骨の形成などに関与する大切な栄養素です。ホタルイカには、これらの効果を発揮するビタミンEや銅が豊富に含まれています。
シミやしわなどの老化は、紫外線やストレスなどで活性酸素が増加することが原因といわれています。ビタミンEは強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、活性酸素と結合し、細胞を酸化させるのを防ぐことで、老化防止につなげてくれます。さらにビタミンEは毛細血管を拡張する作用があるため、冷えや肩こりなどの血行不良による末梢循環障害の改善につながります。
銅は鉄から作られるヘモグロビンを運ぶために重要な栄養素であるため、銅不足により貧血になることが知られています。さらに身体の中で酵素となって働き、骨の形成などに関与する大切な栄養素。ホタルイカには、これらの効果を発揮するビタミンEや銅が豊富に含まれているのです。
ビタミンAは魚介類の中でトップクラス
ホタルイカはその小ささから1匹丸ごと食べるため、内臓も取り除くことなく一緒に食べられます。そのため、内臓に多く含まれるビタミンAが大変豊富に含まれています。ビタミンAは目や皮膚・粘膜に関する効果が知られています。網膜や角膜の細胞を正常に保ち、疲れ目の防止や視力の低下を防ぐ効果の他、皮膚や粘膜の働きを上昇させるため、肌のハリやつやがアップするなどの美肌効果も期待できるのです。さらに、ビタミンE同様抗酸化作用を持っているため、老化防止や動脈硬化の予防にも役立ちます。
ホタルイカに多く含まれるビタミンAとお米の関係
お米は亜鉛が比較的多く含まれています。亜鉛はビタミンAの抗酸化作用の活性化に関わる効果が認められており、成長を促進し味覚正常化などに関与しています。ホタルイカに多く含まれるビタミンAの抗酸化作用を活性化するためには亜鉛が欠かせないため、お米を一緒に摂取することで抗酸化作用を活性化し、より一層老化防止や動脈硬化の予防が期待できます。
ビタミンA過剰による影響
ビタミンAは脂溶性ビタミンで身体に蓄積しやすいことから、上限が定められています。妊娠中にも必要なビタミンAですが、動物由来のビタミンA(レチノール)の過剰摂取は胎児の奇形に影響があることが報告されており、特に妊娠初期には注意が必要です。ホタルイカに含まれるビタミンAも動物由来のレチノールです。食べ過ぎには注意してください。大きさにもよりますが1日に15匹~20匹以上食べてしまうと、上限を超えてしまう恐れがあります。
ホタルイカの佃煮
<材料>
ホタルイカ(ボイル済み) 80g
ミョウガ 1個
☆砂糖 大さじ1
☆酒 大さじ1
☆醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
<作り方>
① ホタルイカは目と口を取り除き、水で洗って水気を切っておく
② ミョウガは千切りにする
③ 鍋に☆を入れて加熱し、砂糖が溶けたら①と②を入れて煮汁が少なくなるまで煮る
④ 最後にみりんを入れて煮汁がなくなったら完成
☆保存容器に入れ、冷蔵庫で1週間を目安に食べきってください。
参考サイト:
http://www.hotaruika-toyama.com/
http://agri-renkei.jp/news/docs/20150109seminar_takeuchi.pdf
文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。