飲んでよし、塗ってよし、浸かってよしのスキンケア。なぜ日本酒は美肌に効くのか

日本酒の中にはお米自体の成分に加え、複雑な醸造工程から生まれる100種類以上の天然有効成分がたっぷりと息づいている。その中で、今回は特に美肌に効くと言われる日本酒の成分に着目。飲んでよし、塗ってよし、浸かってよしのスキンケアについてご紹介したい。

 

日本酒はコラーゲンを生成し保湿を促すアミノ酸の宝庫

日本酒には、旨味とコクの成分であるアミノ酸がワインの10倍以上も含まれ、酒類の中ではダントツに多い。そして日本酒に含まれる20種以上のアミノ酸のうち、プロリンとアルギニンはコラーゲンの原料であり、この二つを摂ることでコラーゲンの生成が促され、ハリと弾力のある肌を保つことにつながる。

また日本酒には、天然保湿因子を構成するセリン、グリシン、アラニン、スレオニン、アスパラギン酸といったアミノ酸も含まれているため、肌の潤いを保つのに効果的だ。ついでに付け加えると、同じく日本酒に含まれているアミノ酸のリジン、プロリン、アルギニンなどは脂肪の燃焼を促すため、ダイエットにも効果的である。

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杜氏の手肌が白くて美しいのは日本酒の美肌パワーの賜物

酒造りの工程で麹菌が発酵すると、コウジ酸という発酵代謝物質が生み出される。コウジ酸は紫外線を浴びた肌の炎症を防ぎ、活性酸素の発生を抑えるため、適量の日本酒はシミの元になるメラニン色素の生成を抑え、しわとたるみを防いでくれる。

コウジ酸は厚生労働省が認定した美白成分であり、医療の世界でも肝斑や日光黒子といったシミの治療薬として活用されている。酒造りに勤しむ杜氏の手が白くてスベスベとしているのも、主にコウジ酸の働きに負うところが大きい。
加えて日本酒には、細胞を活性化させ老化を防ぐポリフェノールの一種フェルラ酸が含まれているため、コウジ酸と相まってダブルのアンチエイジング効果が期待できる。

 

角質層を取り除き、肌にツヤを与えるその他の日本酒成分

乳酸、リンゴ酸、シトラス酸、クエン酸など、フルーツによく含まれている天然のフルーツ酸は、古くなった角質層を溶かすピーリング効果を持つ。そして日本酒にはこのフルーツ酸が含まれているため、適量の日本酒は皮膚の新陳代謝を促すと共に、保湿成分が浸透しやすくなり乾燥肌の改善につながる。
また、日本酒に多く含まれるアデノシンは血管拡張作用があり、血液中の栄養素を体の隅々まで行きわたらせるため、肌に自然な輝きとツヤをもたらしてくれる。

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化粧水、日本酒風呂など肌からの摂取も美白と保湿に効果的

さて、上に挙げた美肌成分は、飲むだけでなく肌から直接摂取することもできる。実際に日本酒の美容成分は多くのスキンケア化粧品に応用され、日本酒を使った化粧水も数多く商品化されている。
肌から直接美肌効果を得るためには、例えば次のような方法がある。
(※お酒が弱い人や敏感肌の人は、必ず腕の内側などでパッチテストをしてから使用すること。)

・日本酒化粧水
殺菌した清潔な容器に純米酒と精製水を1:1~1:2の割合で入れ、グリセリン数滴を垂らしてよく混ぜるだけでOK。添加物が入っていないため、冷蔵庫で保管して1週間をメドに使い切るのが鉄則である。

・日本酒風呂
37〜38℃のぬるめのお風呂にコップ2〜3杯(360〜540cc)の日本酒を入れ、ゆっくりと時間をかけて浸かる。アミノ酸の保湿効果で肌がツルツルになる上、美白効果も高く、なおかつ血行が良くなるため発汗効果とリラックス効果も期待できる。なお、老廃物がしっかり体から排出されるため、体を洗ってから湯船に浸かるのがおすすめ。上がった後はシャワーなどで流さない方がデトックス効果は長持ちする。

・酒粕パック
日本酒そのものに加え、酒粕を使ったパックも美白と保湿には効果的だ。作り方は、ビニール袋の中に酒粕100gと精製水120〜150mlを入れて混ぜ合わせるだけ。塗ってから10〜15分程度経つと酒粕が乾いてくるので、ぬるま湯できれいに洗い流す。

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高級な化粧品を使わなくても、お手頃価格の日本酒でナチュラルなスキンケアができるのはうれしい限りだ。
そして最後にもう一つ。美肌とはやや趣旨が異なるが、日本酒を染み込ませたコットンで爪を磨くとツヤが出てピカピカになるので、一度お試しいただければと思う。

参考サイト:
http://josei-bigaku.jp/nihonsyukouka5179/
https://bitomos.com/archives/2666
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/121800040/030500011/
http://www.te-mari.jp/whitening/nihonsyu.html
https://50s-women.com/sake/
https://joshi-riki.jp/archives/9468
http://sake-cosme.com/?p=1184

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