味や食感が変わる「分つき米」

お米は収穫された時点で“もみがら”というからに覆われていて、もみすりをしてもみがらを取り、“玄米”にします。その後、玄米のぬか層と胚芽を取って“精米”することで白くし、普段見慣れた白ごはんとなります。この精米の段階で、つき加減(精米の加減)を調節して、ぬか層と胚芽を少しずつ取り除いて精米。玄米と白米の間のお米を「分つき米」といいます。何分づきかによって、味や食感に大きく違いがあります。

 

数字が小さいほど玄米に近い


 分づきには精米の加減によって、一分つき、三分つき、五分つき、七分つきなどがあり、数字が大きいほど白米に近くなります。ぬか層や胚芽にカルシウムやミネラル、食物繊維やビタミンなど豊富な栄養素が含まれているので、精米加減が低いほど、栄養価は高くなります。


・玄米…もみがらを取り除いた状態。栄養価は高いが、クセがある。消化に時間が係るので胃腸の弱い人には注意。

・三分つき…玄米に近く炊き上がると茶色くなる。玄米に比べると食べやすい。

・五分つき…玄米と白米の中間。玄米よりやや白っぽく、風味があって食べやすい。栄養や食物繊維も豊富。

・七分つき炊き上がりは白っぽく、食感は白米に近い。初めての分づき米にはおすすめ。

・白米…普段食べ慣れている白ごはん。ふんわりやわから食べやすい。玄米に比べ、食物繊維やミネラルは少ない。



劣化が早いのも「分つき米」


ぬか層が残る分、栄養豊富な分つき米。ぬか層には油分もあるため、精米した瞬間から酸化をしはじめっます。美味しく食べるには精米してから早めに食べるのがおすすめです。貯蔵には玄米が一番向いていて、次が白米、最後が分つき米です。1週間以内に食べきれる量を目安に精米しましょう。


精米機の中には、精米度を調節して分づき米にできるものもあります。最近では、家庭用の精米機を持ち、好みの分づきで精米したてのごはんを楽しむご家庭も増えています。初めての方は七分づきからスタートするなど、自分の体質や好みに合わせて分づき米を試してみるのも、新しいお米の味わい方としてお勧めです。


◆参考文献・サイト
・丸山清明監修『お米の大研究』PHP
・TJ MOOK『お米の教科書』宝島社
・大桃美代子『日本一おいしいお米の食べ方』中経出版
・ISEKI「ピカピカ白米 米LIFE」
 https://www.iseki.co.jp/seimai/what/
・全国有機農法連絡会「精米について」
 http://www.zyr.co.jp/okome/okomeno.html

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