【夏レシピ】管理栄養士が教える「熱中症予防!スペシャルスムージー」

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今年は特に暑いですね。みなさん、熱中症対策をどのようにされていますか。冷房の効かない室内にいる時や、畑仕事・工事現場でのお仕事など室外で作業をしなければならない時、スポーツをしている時など、熱中症にならないために必要なことが毎日テレビなどで放送されていますね。

熱中症予防に必要なことはたくさんありますが、その中でもビタミンやミネラルを上手に摂取することが、熱中症予防につながります。今回は、熱中症予防につながる飲み物をご紹介します。

 

疲労回復にはビタミンB1を

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暑くなると冷たい麺類やデザートなど、サラッと食べられるものが多くなりますよね。麺類やデザートには素早くエネルギーになってくれる糖質が多く含まれています。糖質は人にとって大切な栄養素ですが、糖質をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要になります。糖質をたくさん摂取してもビタミンB1がないとエネルギーに換えられないため、疲れやすくなり熱中症の原因にもなってしまうのです。ビタミンB1は、豚肉やウナギ・玄米や大豆に多く含まれていますので、ぜひ意識して食べてみてください。

 

疲労物質の正体は乳酸ではない!本当の原因は……?

これまで疲労は、乳酸という物質が溜まることで起こると言われてきました。しかし最近、乳酸は疲労物質ではないことが明らかになりました。では、疲労の原因となっているのは何なのでしょうか。それはFF(ファティーグ ファクター)というタンパク質。肉体的・精神的どちらの疲労でも増加するということです。

FFが発生する原因は、活性酸素。活性酸素が発生することでFFが発生してしまいます。活性酸素とは、激しい運動や睡眠不足・強いストレスなどの生活習慣、喫煙や紫外線・大気汚染などの環境因子などによって増加してしまいます。特に夏は強い紫外線に加え、暑さのストレスもあるため、最も活性酸素が増加しやすい時期になります。

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活性酸素を増加させないためには、生活習慣を見直したり環境因子を取り除くことが有効ですが、全てを取り除くことは難しいため、身体の抗酸化力を高めることが重要となります。

加齢によって抗酸化力は低下してしまいますが、抗酸化作用の強い食品を食べることで身体の抗酸化力を高めることができます。ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEの3つのビタミンは、ビタミンACE(エース)とも呼ばれる抗酸化作用を持つ代表的な栄養素です。これら抗酸化力の強い食材を摂取することで活性酸素の増加を防止し、FFの増加を防ぐことができるため、疲労物質蓄積の予防、ひいては熱中症の予防につながります。ビタミンAとビタミンEは脂溶性のビタミンのため、油と一緒に摂取することで吸収率がUPします。

 

夏野菜最強の抗酸化力を持つモロヘイヤ

モロヘイヤはエジプト原産の夏野菜です。最近では、夏になると直売所やスーパーなどで見かけることも多くなりました。モロヘイヤは、ビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンE全てが多く含まれている、まさに最強の抗酸化力を持つ食材です。ビタミンA(β-カロテン)とビタミンEは野菜でトップクラス。その他ビタミンB1やカリウムも比較的多く含まれており、夏バテや熱中症予防に最適の食材です。

 

 ◆モロヘイヤとフルーツのスムージー

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<材料>
モロヘイヤ(葉っぱのみ)  30g       
キウイフルーツ      1個
冷凍バナナ        1個
オリーブオイル      小さじ1
豆乳           180ml

<作り方>
① バナナは皮をむいてラップに包み、冷凍しておく
② モロヘイヤはよく洗って葉っぱをちぎる
③ キウイフルーツは皮をむいて1口大に切る
④ 冷凍バナナを1口大に切る
⑤ ②・③・④とオリーブオイル・豆乳をブレンダーで撹拌する

 

熱中症予防にはカリウムもとても大切です。大量の汗をかいてカリウムが不足すると倦怠感や食欲不振の原因に。カリウムは夏野菜や果物に多く含まれています。水溶性物質で煮たり茹でたりすることで損失してしまうため、生で食べるのがオススメです。

今回のスムージーは、疲労回復や熱中症予防に効果的な食材ばかりを詰め込みました。モロヘイヤはもちろん、カリウム豊富なバナナやビタミンCやカリウムを多く含むキウイフルーツ、エネルギー代謝に必要なビタミンB1を多く含む豆乳。味もとてもまろやかで美味しいです。ぜひお試しください。

 

 水分補給に!手作り経口補水液

<材料>
水                 1L
塩(ミネラルを多く含む天然塩)   小さじ1/2
砂糖(きび糖やはちみつ)      大さじ2~4
レモンなどの絞り汁(お好みで)   大さじ2

<作り方>
① 全てを混ぜ合わせる
② 冷蔵庫で冷やす
※厚生労働省資料参照

熱中症対策に様々な飲料が売られていますが、簡単に作れますのでこの機会にいかがでしょうか。

 

参考資料:
環境省 平成30年度「熱中症対策シンポジウム」資料
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/sympo/20180603_4.pdf

日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」資料
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

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