お米の酒の原点・どぶろくについて[前編]歴史・特徴・効用など

どぶろくの歴史は米作とほぼ同起源であると云われ、五穀豊穣や家内安全を祈願する神酒として古来親しまれてきた。そのどぶろくが、この十年来いろんな方面から注目を集めているという。そこで、知っているようで実はあまり知られていないどぶろくにまつわる話題を、2回連続で取り上げてみたい。

 

かつては各家庭で「Myどぶろく」が造られるほど暮らしに密着

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どぶろくは日本酒の原型である。お米を麹と酵母の力で発酵させてできた醪(もろみ)*1を、そのまま出荷するとどぶろくになり、醪を漉す(or上槽*2する)と日本酒(清酒)になる。お米を原料とする酒の中で最も素朴な造りのどぶろくは、かつては各家庭や農家でMyどぶろくが自家醸造され、味噌や漬物のようにそれぞれの家庭の味を楽しむなど、お米を主食とする日本人の暮らしに密着した存在だった。

 

しかし明治の後半になって、国の政策により酒の自家醸造は全て禁止となった。家庭で自ら楽しむだけの目的でも、無許可でのどぶろく造りは未だに法律では許されていない。許可されているのは、伝統的な神事を行う幾つかの神社などに限られている。ちなみに、映画『君の名は。』で話題になった「口噛みの酒」*3もどぶろくの一種だ。こうした経緯もあって、どぶろくという名前は聞いたことがあっても、飲んだ経験がない人の方が今では圧倒的に多いだろう。

 

乳酸菌飲料のように飲みやすいため飲み過ぎには要注意

では実際にどぶろくとはどんな酒なのか。そもそもはアルコール発酵させた甘酒のようなものなので、見た目も甘酒とほとんど変わらない。香りは甘酸っぱい果実をイメージさせる華やかさがあり、原料を漉していないため、どろっとしたお米と麹を噛みながら味わうことになる。

味については、未発酵のお米に含まれるでんぷんや、でんぷんが分解した糖に由来する甘口のものが多く、適度な酸味があるのでヨーグルトや乳酸菌飲料を彷彿させる。そして火入れをしていないどぶろくは発酵が続くので、炭酸ガスがシュワシュワと口の中で心地良く弾ける。

口当たりが良いため女性にも飲みやすく、ついゴクゴクと飲んでしまいがちである。ただし度数は日本酒同様14〜17度にもなるため、ソーダやミルクで割るなどの工夫もしながら、適量の飲用を心がけることが必要だ。

 

美白、快眠、老化防止、肝機能保護など驚きの健康効果が

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以前NHKの「あさイチ」でも特集されたが、原料を漉さずに飲むどぶろくは、発酵過程で生まれた自然の有効成分が活性状態で摂取できるため、日本酒*4や酒粕*5とはまた一味違った様々な効能が期待できる。

主な有効成分としては、まず米麹由来のコウジ酸が挙げられる。シミ・ソバカスの原因となるメラニン色素の生成や、肌の黄ぐすみなど老化の原因となる後期糖化生成物(AGEs)を抑制する効果があり、1988年には美白成分として国から正式認定されている。

続いては清酒酵母である。2014年5月にライオン(株)が、清酒酵母に「睡眠の質を改善する効果があること」を発表している。また、アルコール性肝炎の治療やうつ病改善に役立つs-アデノシルメチオニンを多く作り出すことも判明している。

 

そして、特に注目したいのが必須アミノ酸である。どぶろくには人体で合成できない9種類の必須アミノ酸が全て含まれており、それぞれの効能は次の通りである。

・バリン、ロイシン、イソロシン(総称してBCAA):筋肉量維持、体脂肪抑制

・メチオニン:肝機能保護、老化防止

・フェニルアラニン:記憶力アップ

・トリプトファン:快眠

・ヒスチジン:疲労軽減

・スレオニン:肝機能強化、新陳代謝促進

・リジン:脂肪燃焼、育毛

他にも、皮膚を正常に保つ働きがあるビタミンB群が豊富に含まれるなど、侮れない美健効果が期待できそうだ。

 

米作と密着した庶民の生活文化の一つだったどぶろくは、今や時代遅れとなっている法律が依然壁となり、酒の中でもマイナーな存在として長年にわたり隅に追いやられてきた。しかし規制緩和を機に、どぶろくを町おこしの切り札にしようとの動きが続々と増えつつある。次回はその辺りの実状についてご紹介しよう。

 

*1:「醪」の記事はこちらをクリック

*2:「上槽」の記事はこちらをクリック

*3:「口噛みの酒」の記事はこちらをクリック

*4:「日本酒の美健効果」の記事はこちらをクリック

*5:「酒粕の美健効果」の記事はこちらをクリック

 

参考サイト:

Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/どぶろく

SAKETIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/nigori_doburoku

ぐるなびWEBマガジン
http://r.gnavi.co.jp/sp/g-mag/entry/013220

どぶろくらぶ
https://doburoku.biz/doburoku-biyou/

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