「アーユルヴェーダ×お米」でより健康的な毎日を

 

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お米は、私たちの身体を作るのになくてはならない食材である。それは世界共通で、インドの『アーユルヴェーダ』でも同じである。日本とインドでのお米に対する捉え方の違いを、アーユルヴェーダの視点で見てみよう。お米への印象や食べ方が変わるかもしれない。

 

アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダとは、インドに伝わる世界最古の伝統医学のことである。サンスクリット語で『アーユル(生命の)ヴェーダ(科学)』という意味。病気の治療のことばかりでなく、予防を視野に入れた考えや、生活習慣を説いている生きる知恵なのだ。この世のものは五大元素(空・風・火・水・土)で構築されていると考えられている。人の身体・時間・季節など、全てだ。そして、身体を支えるエネルギーを『ドーシャ』といい、ヴァータ(空と風)・ピッタ(火と水)・カパ(水と土)の3つでバランスをとっている。人は誰でも3つの要素を持っていて、そのバランスが崩れると気持ちが安定しなかったり、病気になると考えられている。(自身のドーシャが気になる方は「ドーシャ診断」で検索。)

 

アーユルヴェーダとお米の関係性

ayurveda2アーユルヴェーダでは、食べ物は3つのグナ(性質) に分類される。心を左右する3つの性質を『トリグナ』と言い、サットヴァ(純粋性)・ラジャス(動性)・タマス(惰性)がある。サットヴァは理想の状態、バランスと調和のとれたもの(健康な状態)を意味する。ラジャスは動きを意味し、ラジャスが増えると心身のバランスが崩れ始め、イライラしたり不安になったりする。そしてタマスが増えると、無気力や鬱の状態になってしまう。お米はサットヴァに分類され、その中でも特に純粋性が高い食べ物とされている。

さらに、全ての食べ物が『オーグメンティング(身体に栄養を与えるもの)』と、『エクストラクティブ(排泄を手助けするもの)』の2つに分けられる。6:4の割合でとることが、バランスがいい食事とされている。お米はオーグメンティングに属す。オーグメンティングの食べ物の特徴として、甘味をもっていることが多い。

以上のことから、アーユルヴェーダの考えの中で、お米は純正なものとされ、身体に良いエネルギーと栄養を与えるとても重要な食材なのだ。

 

アーユルヴェーダ的お米の食べ方

お米は、ジャポニカ米とインディカ米の大きく分けて2つの種類がある。普段私たちが食べているお米はジャポニカ米で、実は世界で約2割程度しか栽培がされていない。比べてインディカ米は、世界の約8割のお米を占めているのだ。近年では多国籍料理店の流行によって、インディカ米を目にする機会が増えたように思う。
アーユルヴェーダでよく食べられるのは、“バスマティライス”と“ジャスミンライス”だ。“バスマティライス”は、香り高いお米として有名で、炒った木の実のような香りがする。“ジャスミンライス”は、「香り米」とも呼ばれ世界的にも高級なお米で、ナッツや豆類のような香りがする。“バスマティライス”に比べて少し丸みがあるのが特徴である。

 

アーユルヴェーダでは欠かすことのできない、“キッチャリー”と呼ばれるインド式粥がある。ショウガのすりおろし・岩塩・ギーと、その時の自分に合ったスパイスをたっぷり使い、引き割りムング豆(緑豆)と一緒に炊いて作る粥である。
“ギー”とは、発酵無塩バターを火にかけ、余分なものを取り除いた純正なオイルのこと。アーユルヴェーダでは料理には勿論、マッサージオイルとしてなど多様な使い方がある。キッチャリーを作るのに使うスパイスは、シナモン・カルダモン・ターメリック・コリアンダーなどさまざま。キッチャリーは心と身体の両方を安定させてくれる浄化食。普段フル稼働している身体の消化器官を休めるのに適した食事である。定期的に食べることでダイエット効果も期待できるのだ。
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食生活をいきなり全て変えることは難しい。しかし、食べ方を少し工夫するだけで、太りにくくなる身体と習慣は作ることができるのだ。お米を食べる=太るというのは間違っている。アーユルヴェーダで実際に行われている食べ方の知恵を2つ紹介しよう。
ひとつめは「一口ごとにスプーン(箸)をおく」。これを行うことでよく噛む習慣や、何より今、口に含んでいるものをしっかりと味わって食べることができる。常にスプーンやお箸を持っていると、無意識に今食べているものよりも、次に口に入るものに意識が向いてしまいうのだ。食材を育てた人、食事を作った人に敬意を払って美味しく食べることが大切。ふたつめは「げっぷがでたら食事をやめる」。げっぷは身体からのお腹がいっぱいのサインなのだ。この習慣を身につけることで食べ過ぎることがなくなるのだ。

このように、お米はアーユルヴェーダの世界でもなくてはならない食材なのだ。国や文化を超えて、お米を美味しく楽しみながら、心身共に健康的な毎日を過ごしていただきたい。

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