【春レシピ】管理栄養士が教える 「今が旬!たけのこを使ったごはんが進むレシピ」


takenoko1寒い冬が終わり暖かくなってくると、野山には春の訪れを知らせるように山菜が顔を出しはじめます。春を代表する食材のなかでもたけのこは、ごはんと一緒に炊いたり煮物にしたりと、いろいろな料理にして食べることができる、この時期には欠かせない食材です。そんなたけのこですが、いくつか種類があり、優れた栄養価を持っていることをご存じですか。たけのこについて知った上で、ごはんとの相性バッチリなたけのこ料理をつくってみましょう。

 

疲れやストレスを和らげるなど、身体の機能を改善

実はたけのこには、私たちの身体にとっても良いさまざまな栄養が含まれています。具体的な栄養素と、注意したい点をまとめてみました。


 
① チロシンの効果で疲労やストレスを緩和
たけのこを茹でるとヒダの間に見られる白い物質。「食べても大丈夫?」と心配になったことはありませんか。この白い物質、実はチロシンというアミノ酸の一種なのです。チロシンはチーズから発見された非必須アミノ酸。ドーパミンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の原料になる栄養素で、疲労やストレスを緩和する作用が期待できます。またドーパミンは、脳を興奮状態にしてやる気を起こさせることから、脳が活性化しうつ状態が改善するとも言われています。


 
② カリウムでむくみ改善&高血圧予防
むくみの原因の1つは、血中のナトリウム濃度が高くなるため。むくみ改善にはナトリウムを身体の外に排出することが大切となり、その役割を果たすのがカリウムです。カリウムを摂取することで、過剰なナトリウムを排出し、むくみを改善することにつながります。同様に、余分なナトリウムを排出することによって血圧を下げ、高血圧予防にも効果があることが分かっています。

 
③ 妊活中・妊娠中の人には特に摂取してほしい葉酸も豊富
葉酸は水溶性のビタミンで、精子の染色体異常の抑制や子宮内壁を強くすることで受精卵の着床をしやすくするという作用があるため、妊活中の方には是非摂取していただきたい栄養素です。さらに、細胞の新生に必要なDNAなどの核酸を合成する役割をもっており、細胞分裂が活発な妊娠初期には特に気を付けて摂取したい栄養素でもあります。


 
④ 食べ過ぎによる影響
たけのこには食物繊維が含まれており、食べ過ぎは胃腸を悪くする可能性も。不溶性の食物繊維が多く含まれるたけのこは、腸の中で水分を吸って嵩(かさ)が増すため、食べ過ぎると便秘や腹痛の原因になることがあります。また、油と一緒に食べる天ぷらなどは胃もたれをおこすこともあるので注意が必要です。食べ過ぎに気を付け、しっかり噛んで食べましょう。

 

獲れる時期によって、料理の仕方も変化する!?

たけのこにはさまざまな種類がありますが、収穫時期や料理にも違いがあります。主な種類別に見てみましょう。


◆孟宗竹(もうそうちく)
一番馴染みのある品種が中国原産の孟宗竹です。産地は九州や四国を中心とした関西以南、東北地方でも少し収穫されますが寒冷地では育ちにくいため多くはありません。収穫時期は3月から5月。柔らかい食感で風味も良く、厚みがあるのが特徴です。天ぷらや焼き物、たけのこごはんなどさまざまな料理に使えます。


◆淡竹(はちく)
中国原産の品種で5月頃から旬を迎える淡竹は、孟宗竹と異なり地面を掘って収穫する必要がありません。また寒さに強く北海道でも収穫できる品種です。アクが少なく基本的にはアク抜きする必要がないため、下ゆでしてから調理することができます。柔らかくシャキシャキした食感が特徴で、炒め物や煮物などがオススメです。


◆真竹(まだけ)
古くから日本で栽培されていた品種で、孟宗竹がすっかり大きくなった6月頃が収穫時期です。真竹は淡竹と同じく地面を掘って収穫する必要がありません。サクサクとした食感で風味も良く、アクが少ないのが特徴です。淡竹と同様下ゆでしてからスープや炒め物、メンマにして食べると美味しいです。

その他、根まがり竹/姫竹/月山竹や四方竹(しほうちく)、寒山竹(かんざんちく)などの品種があります。

 

お米とたけのこの“おいしい関係”

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たけのこに含まれるアクの正体はシュウ酸とホモゲンチジン酸と言われており、時間と共に増加してえぐみが強くなります。そのため、たけのこは掘った後、なるべく早くアク抜きをしましょう。たけのこのアク抜きには米ぬかを使います。米ぬかに含まれるカルシウムがシュウ酸と結合してシュウ酸カルシウムとなることでえぐみを感じにくくさせると言われています。米ぬかのでんぷんがアクを吸着するという説もあります。さらに、米ぬかに含まれる酵素がたけのこの繊維を柔らかくして旨みを引きだす作用も。たけのこにとってお米はまさに最高のパートナーと言えるでしょう。
重層でもアク抜きはできますが、たけのこの色が悪くなることからオススメしません。米ぬかが手に入らない場合は、米のとぎ汁で茹でることでも代用できます。

 

ごはんが進むたけのこを使ったレシピ

たけのこ入り麻婆春雨
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<材料4人分>
たけのこ(アク抜き済み) 200g
人参 中1本
玉ねぎ 小1個
ニラ 1束
緑豆春雨 80g
豚ひき肉 200g
生姜 1片
にんにく 1片
☆酒 大さじ1
☆醤油 大さじ2
☆砂糖 小さじ2
☆鶏ガラスープ 1カップ
☆赤みそ 大さじ1
ごま油 適宜
塩 少々
水溶き片栗粉 適宜
豆板醤 適宜

<作り方>
① 春雨は軽く茹でて食べやすい大きさに切っておく
② 生姜とにんにくはみじん切りにする
③ 人参は千切り、玉ねぎは薄切りにし、ニラは2~3cmの長さに切る
④ たけのこは5cmの長さに切り、立てて5mm幅に切った後、繊維に沿って5mm幅に切って細切りにする
⑤ ☆を合わせておく
⑥ フライパンにごま油を入れて熱し②を弱火で炒め、香りが出てきたら豚ひき肉を炒める
⑦ 肉に半分くらい火が通ったら③の野菜と④のたけのこを入れて炒める
⑧ 野菜がしんなりしたら①の春雨を加えさっと炒め、⑤を入れて煮る
⑨ 味をみて足りなければ塩で整え、水溶き片栗粉を入れひと煮立ちさせて火を止める
⑩ お好みで豆板醤を入れる

 

たけのこ入りにすることでヘルシーに仕上がります。しっかりした味付けなのでごはんが進みますが、食べ過ぎには気を付けてください。この麻婆春雨を春巻きの皮に包んで揚げ焼きにすると、お弁当のおかずにもなりますよ。是非試してみてください。


参考サイト:
タケノコ 
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%BF%E3%82%B1%E3%83%8E%E3%82%B3&oldid=67726636

ラシック
https://rassic.jp/content/124

食育大事典
http://www.shokuiku-daijiten.com/mame/?p=943

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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