お米は最高の万能栄養食

毎日のように何気なく食べているお米ですが、私たちはお米からたくさんの栄養をもらっています。お米の主な成分はでんぷんを中心とする炭水化物で、これは私たちのエネルギーのもとになるものです。お米を1日300g(約お茶碗2杯分)を食べると、約1,070キロカロリーのエネルギーが取れます。これは、1日に必要なエネルギーの約45%です。
さらにお米は、アミノ酸、脂質、ビタミンなどの栄養素もバランスよく含んでいるので、お米それだけで万能の栄養食といえるのです。



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玄米の高い栄養価


これまで精白米の栄養成分についてお伝えしましたが、味や食感が変わる「分づき米」のページで紹介しているように、玄米の状態が、一番栄養価が高く、その後精米の加減によって、食べやすくなるとともに玄米に比べると栄養価は低くなっていきます。


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白米と玄米を比べてみると、エネルギーや炭水化物の数値はさほど違いがないものの、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なことが分かります。人間が健康を保つために必要とされる栄養素をほとんど摂取できるため、“完全栄養食”ともいわれています。これは、玄米のごはんをお茶碗一杯食べると、白米のごはん1日分食べたことと同じ程度の栄養価を得られることになるのです。

また、発芽する前の玄米にはフィチン酸という物質が多く含まれています。フィチン酸には排泄作用があり、体内の毒素を出す働きをするため、病気を治すともいわれています。ちなみにこのフィチン酸、一旦発芽してしまうとその役目を終え消えてしまいます。

 

玄米より栄養価が高い!? 「発芽玄米」


その名前の通り、発芽した玄米を「発芽玄米」といいます。スーパーのお米売り場でもよく目にする言葉ですが、近年健康食としてとても注目を集めています。

玄米は芽を出すとき、胚乳の部分を軟らかく、甘く変化させます。胚乳は、普段私たちが食べている白米の部分です。この部分が軟らかく甘くなるということは、ごはんのおいしさが増すということです。

また、発芽玄米は栄養素も豊富。中でもGABAと呼ばれる「ガンマ−アミノ酪酸」という栄養成分は、白米の約10倍、玄米の約3倍も含まれているのです。GABAには、中性脂肪を抑えたり、血圧を下げたり、精神を落ち着かせたりとさまざまな効能があるといわれています。最近では、アルツハイマー病の予防や治療が期待されると注目されています。

このほか、ビタミンやカルシウム、糖質、食物繊維などが豊富に含まれ、その栄養価は玄米よりも高いです。玄米よりも食べやすいともいわれますが、初めての方にはその独特の食味に抵抗があるかもしれません。ぜひ一度チャレンジしてみませんか。


◆参考文献・資料・サイト
・丸山清明監修『お米の大研究』PHP
・TJ MOOK『お米の教科書』宝島社
・大桃美代子『日本一おいしいお米の食べ方』中経出版
・文部科学省《日本食品標準成分表2015年版(七訂)》
・科学技術庁資源調査会《五訂日本食品標準成分表》

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