夏野菜の代表、きゅうり。今ではハウス栽培により一年中食べられるきゅうりですが、暑くなりみずみずしいきゅうりがスーパーなどに並ぶと、ついついたくさん買っていまします。「世界一栄養がない」「食べる必要のない野菜」などと言われることもありますが、夏に獲れるのには理由があったのです。今回は、そんなきゅうりを使ったお漬物をご紹介したいと思います。より一層暑さを感じる今年の夏、サッパリとしたきゅうりのお漬物を食べて猛暑を乗り切りましょう。
ビタミンCとβ-カロテンが老化を食い止める
きゅうりの90%以上は水分と言われています。残り少ない成分の中でも、きゅうりにはビタミンCやカリウム・β-カロテンなどの栄養素が比較的多く含まれています。
身体の老化を加速させてしまう活性酸素。加齢や喫煙に加え夏の強い紫外線や暑さによるストレスによって増えてしまいます。最近では、疲労物質の原因になるFF(ファティーグ ファクター)というタンパク質を増やす原因となることも分かってきました。それを消去してくれるのがビタミンCやビタミンAなどです。
ビタミンCは活性酸素を消去して身体の老化を防いでくれているため、特に活性酸素が増えやすい夏にビタミンCをたくさん摂取することがとても大切です。さらにきゅうりに含まれるβ-カロテンは身体の中で必要な量だけビタミンAに変化します。ビタミンAにも抗酸化作用があるため活性酸素の増加を防ぐ効果があります。きゅうりは、暑い季節に食べることで活性酸素を減らし身体の老化の加速を食い止め、さらには疲労蓄積の予防にもつながる夏に必須の食材です。
きゅうりと漬物の関係
「漬物は辛いからあまり食べないように」と聞いたことはありませんか? 高血圧予防の観点から減塩という言葉をよく耳にするようになり、漬物に限らず様々な減塩商品を目にすることが多くなりました。塩を多く摂取することでナトリウムが増え、浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増加。水分が増えることで末梢血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧を上げてしまい高血圧になってしまうと考えられています。
きゅうりにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは血中に増えすぎたナトリウムを外に排出してくれる作用があるため、ナトリウムの多い食品を食べる時にはカリウムを一緒に摂取することが重要です。漬物にする時には塩や醤油を比較的たくさん使って漬けますが、カリウムを豊富に含むきゅうりのお漬物にすることで、過剰なナトリウムの吸収を防ぐことにつながるのです。
◆きゅうりの塩こんぶ漬け
<材料>
きゅうり 3本
塩 適宜
☆塩こんぶ 10g
☆ごま油 大さじ2
<作り方>
① きゅうりはよく洗い、麺棒などでたたいて適当な大きさにする
② ①に塩をふって10分程おき、水気をしっかり絞る
③ ②をジップロックなどに入れ、☆を加えてよくもむ
※1時間くらい漬けるとおいしくいただけます
◆きゅうりの醤油漬け
<材料>
きゅうり 4本
☆にんにく 1カケ
☆生姜 2カケ
☆醤油 50cc
☆みりん 大さじ3
☆酢 大さじ1
☆砂糖 大さじ1
☆鷹の爪 1本
<作り方>
① きゅうりはよく洗って5ミリ~1センチの厚さに切り、塩(分量外)をする
② にんにくと生姜は薄切りにする
③ 鷹の爪は種を取り除き、輪切りにする
④ 鍋に☆を入れ、沸騰したら火を止める
⑤ きゅうりが少ししんなりしたらよく絞って水気をきっておく
⑥ ④の鍋に⑤を入れる
⑦ 粗熱が取れたら、保存容器に汁ごと移し冷蔵庫で冷やす
※ジップロックなどの袋容器に入れると袋の上から簡単に混ぜることができます
⑧ 半日~美味しく食べられます
※冷蔵庫で保存し、3~4日程度で食べきってください
参考サイト:
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準2015 多量ミネラル」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114400.pdf
文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。