日本の食料自給率の低さが叫ばれ続けている昨今。一方で、お米の消費は一貫して減少傾向にあり、一人当たりの米消費量は昭和37年度のピークから半減しています。日本国内でも自給可能で、総供給熱量の2割を占めるお米の消費拡大は、自給率を向上させる上でも大変重要であると位置付け、農林水産省が先頭を切って、お米及び米粉の消費拡大を進めています。小麦粉を米粉にかえるだけで、日本の食料自給率を上げる。この機会に普段の食生活に米粉を取り入れてみませんか。
実は、小麦粉よりもアミノ酸バランスが優秀
アミノ酸はタンパク質の元になる大切な栄養素ですが、その中でも必須アミノ酸は人の体内ではつくることができないため、食事から摂取するしかありません。必須アミノ酸は9種類。必須アミノ酸にはアミノ酸スコアというバランスを示す指標があり、いくら他の種類の必須アミノ酸が高い数値でも、1つ低い数値のものがあると全体のアミノ酸数値は一番低いものになってしまいます。9種類の必須アミノ酸をそれぞれ多く含んでいるものがよりアミノ酸スコアが高くなり、100に近いものが良質なタンパク質ということになります。
米粉のアミノ酸スコアは56、小麦粉の36やそばの50と比べると穀物の中では高い数値です。アミノ酸スコアは、一緒に食べる食材によっても影響を受けます。つまり必須アミノ酸のうち1つの数値が低かった場合、その低いものを他の食材で補うことによって、アミノ酸スコアを上げることができるのです。
米粉は、リジンというアミノ酸のみが他に比べ極端に低くなっています。リジンさえ補えられればより良質なタンパク源に。リジンは乳製品や魚・肉類などの動物性食品や大豆製品に多く含まれています。今回の米粉お菓子レシピはどちらも牛乳を使っているので、米粉に足りないリジンを補いアミノ酸スコアが高くなることでより良質なタンパク質となりますよ。
◆米粉レシピ☆パンケーキ
<材料>
米粉 100g
ベーキングパウダー 小さじ1
砂糖 20g
卵 1個
塩 ひとつまみ
牛乳 100cc
バター(他のオイルでもよい) 10g
<作り方>
① バターは耐熱容器に入れて電子レンジに30~40秒程かけて溶かしておく
② 卵と砂糖・塩をボウルに入れ泡たて器で混ぜ、白っぽい泡が立つまで泡たてる
③ 牛乳を②に加え、なるべく泡が消えないように泡たて器で混ぜる
④ 別のボウルに米粉とベーキングパウダーをはかり入れ、③を入れてしっかり泡たて器で混ぜ合わせる
⑤ ④に①を加えて泡たて器でしっかり混ぜる
⑥ 場合によってはフライパンにバターや油(分量外)を引き、⑤を弱火で両面焼いて完成
※型を使うと高さのあるパンケーキができます
◆米粉レシピ☆胡麻クッキー
<材料>
米粉 70g
片栗粉 20g
すり胡麻 10g
砂糖 50g
塩 小さじ1/2
牛乳(豆乳) 30cc
バター 30g
<作り方>
① バターは耐熱容器に入れて電子レンジに40~50秒程かけ溶かしておく
② ボウルに米粉、片栗粉、すり胡麻、砂糖をはかり入れる
③ ②のボウルに①と牛乳を入れてヘラで混ぜる
④ ③をひとまとめにし、ラップでくるんで冷蔵庫で30分程休ませる
⑤ オーブンを180度に予熱する
⑥ ④を5~8mmの厚さにのばし、型で抜く
⑦ クッキングシートを敷いた天板に⑥をのせて20分程オーブンで焼く
※型がない場合は丸めて5mm程につぶしてもいいですし、④で四角や丸の棒状にまとめて30分休ませた後5mm程の厚さに切っても◎
※米粉は種類によって水分量が異なるため、まとまりにくい場合は牛乳を増やしてください
お菓子として紹介していますが、どちらも甘さ控えめのレシピですので朝食などにもオススメです。お好みで砂糖を10g程増やしてください。
参考サイト:
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七手訂)アミノ酸成分表編」
農林水産省資料
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/attach/pdf/index-125.pdf
農林水産省中国四国農政局資料
http://www.maff.go.jp/chushi/kome_syoukaku/komeko/pdf/03komekoworkbook.pdf
農林水産省九州農政局資料
http://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu/komeko/komeko.html
文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。