梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。大雨が降ったと思えば、太陽が顔を出すとグッと気温が上がります。そんな天気の変化が続いたり、暑い日ばかりだと食欲もなくなってしまいますよね。「冷たい麺類ばかり食べるのも飽きてきたし、野菜やお魚も食べたい!」そんな時は、簡単に作れて食欲増進効果もある「冷や汁」はいかがでしょうか。冷や汁は宮崎県をはじめ、埼玉県や山形県など様々な地方で夏の郷土料理として食べられています。地方によって作り方や具材などは多少異なるようですが、基本的にはお出汁とお味噌で味を付けた冷たい汁物料理のこと。今回は宮崎県の郷土料理である冷や汁のアレンジレシピ。本来は鯵などの干物を焼いて加えますが、ツナ缶を使って手軽に作ってみました。これからどんどん暑くなるからこそ、ごはんと野菜、魚などをしっかり食べて夏バテしない身体作りを心がけましょう。
殺菌作用だけではない! 大葉は夏にうってつけの理由とは?
大葉(青紫蘇)は初夏から夏にかけて旬を迎える薬味の1つ。冷奴にお刺身など脇役としてよく見かける食材ですが、実は大葉には、夏にうってつけの栄養素がたっぷり入っているのです。大葉が持つ特有の清々しい香り、それはペリルアルデヒドという芳香成分によるものです。このペリルアルデヒドは防腐・殺菌作用だけでなく、食欲増進作用や健胃作用・整腸作用などが知られています。暑い夏になるとつい冷たいものを食べたり飲んだりしたくなります。そのせいで弱ってしまう胃や腸の回復効果が期待できます。
次に注目するのはβ-カロテン。β-カロテンは、紫外線や暑さのストレスにより増加する活性酸素の発生を抑える抗酸化作用を有しているため、夏には積極的に摂取したい栄養素の1つです。β-カロテンと言えば人参が挙げられる程、人参には含有率が多いですが、大葉はその人参よりも100g当たりの含有量は多くなります。しかし薬味として使われることが多いため、一度にたくさん食べる機会が少ないのも事実。この機会に、大葉をたっぷり使った冷や汁を食べてみてはいかがでしょうか。
エネルギー変換に不可欠なナイアシンが豊富なマグロやカツオを手軽に
ツナ缶には、原料がマグロとカツオの2種類があるのをご存じでしたか。手軽にお魚を食べられるので私はいつも家にストックしています。マグロやカツオにはビタミンB群の1つであるナイアシンが豊富に含まれています。ナイアシンは、糖質や脂質・タンパク質などがエネルギーに変換する際に補酵素として働くため、エネルギー維持の欠かせない夏には必須の栄養素です。通常の食事では不足することはないと言われていますが、冷たいデザートや麺類だけといった食事では不足する可能性があります。素麺にツナ缶を加えたりと、手軽に取り入れられることが缶詰のメリットなので是非お試しください。
◆ツナ缶で手軽に作る 冷や汁
<材料>
ナス(中) 3本
きゅうり 1本
豆腐 1丁
ツナ缶(小:70g/缶) 2缶
出汁 800cc
味噌 大さじ7
みりん 小さじ1
すり胡麻 大さじ2
大葉 適宜
ミョウガ 適宜
ごはん 適宜
<作り方>
① ナスは皮を何本か剥いて縦半分に切り、薄く切って塩水にさらしておく
② きゅうりはよく洗って縦半分に切り、薄くスライスする
③ ツナ缶は油を切っておく
④ 大葉とミョウガは千切りにする
⑤ 出汁に味噌を溶き、みりんとすり胡麻と③を加える
⑥ 豆腐を食べやすい大きさに切って⑤に加える
⑦ ①のナスをよく絞り⑥に加える
⑧ きゅうりを⑦に加える
⑨ ⑧を冷蔵庫で冷やす
⑩ ごはんに⑨をかけ、大葉やミョウガをのせて完成
本来は大きなすり鉢で作ることの多い冷や汁ですが、大きなすり鉢がある家庭も少ないと思いますので今回はお鍋で作ってみました。ご飯に冷や汁をかけることで暑い夏で食欲不振になっている時でもご飯が食べやすくなります。ついついおかわりしてしまう程です。
参考サイト:
厚生労働省 e-ヘルスネット「カロテノイド」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
東京理科大学 研究戦略・産学連携センター「シソの香りによる腸炎の緩和」
http://www.tus.ac.jp/today/20180326001.pdf
文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。