いよいよ夏本番。その年によって猛暑具合は違いますが、暑いことにかわりはありませんよね。暑さのせいで食欲がなくなったり、暑いからと冷たいものばかりを食べてしまって胃腸を壊したりと『夏バテ』と呼ばれる症状に陥る方も少なくないと思います。またこれだけ暑いと、ガスや電気でさらに気温が上がるキッチンに長時間立って調理するのもできるだけ避けたいところ。今回ご紹介するサバには、夏バテ予防に最適な栄養素がたくさん含まれています。さらに夏バテ予防だけでなく、少し涼しい時間帯などに事前に作っておくことによって、冷たい料理をサッと食卓に出すことのできる『作り置き』レシピになっています。
サバは昔からお盆時に贈りものとして送っていた!?
お盆の支度のことを指す『盆用意』をはじめ、祖霊を迎えるためのお墓や家の掃除を指す『盆路』など『お盆のならわし』が古くからありますが、その中に『刺鯖(さしさば)』と呼ばれるものがあります。『刺鯖』は背開きのサバを塩漬けにして、二尾を重ね頭のところで刺し連ねて一刺しにしたものです。お盆の頃のサバは脂が乗っていて美味しく、塩漬けにすることで良い保存食になります。昔から、もち米で炊いた飯を蓮の葉で包んだ『蓮の飯』と一緒に、健在の親や年長者の元へあいさつに伺う際の定番の贈りものとされていたようです。
サバの夏バテ予防効果
『夏バテ』とは夏の暑さによる自律神経系の乱れによって現れるさまざま症状ですが、『夏バテ』とひと口に言ってもいくつかの症状に分類されます。代表的なのは全身の倦怠感である“身体がだるい・疲れやすい”症状、その他に“食欲不振”や“下痢・便秘”などがあります。サバには“身体がだるい・疲れやすい”夏バテを解消する際に必要な、脂肪や糖質の代謝を助ける働きのあるビタミンB2が多く含まれています。
さらにサバには、胃腸を強化して“食欲不振”の改善に有用なタンパク質やタンパク質の代謝を助ける働きのあるビタミンB6も多く含まれているため、夏バテには打って付けの食材です。また今回ご紹介するサバを使ったマリネは、マリネ液に含まれる酢の食欲増進効果も期待できるため暑い夏には特にオススメのレシピです。
◆彩り豊かなサバのマリネ
<材料>
塩サバ(3枚おろしのものが食べやすくて◎) 4枚
紫玉ねぎ(普通の玉ねぎでもok) 小1個
ピーマン 2個
人参 1/2本
☆砂糖 大さじ2
☆酢 大さじ2
☆塩 少々
☆オリーブオイル 大さじ2
小麦粉 適量
油 適量
<作り方>
① 塩サバは骨を抜いてからキッチンペーパーで包んで水気を取り、4~5等分くらいの大きさに切っておく
② 紫玉ねぎ・ピーマン・人参は千切りにしておく
③ ボウルか保存容器に☆の調味料と野菜を入れる
④ 油を入れて熱したフライパンに小麦粉をまぶした塩サバを入れ、揚げ焼きにする
⑤ ④ができたら軽く油をきってそのまま③に入れてなじませる
⑥ 30分くらいから食べられますが、味がしみ込んだ方がより美味しいです。
全体にマリネ液が絡むように時々そっと混ぜてください
※保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、3~4日くらいで食べきってください
私は特に暑くなるとサッパリとしたものが食べたくなります。作り置きしておくととても便利なマリネは今回のサバを使ったものの他にも鶏ムネ肉やハムなどいろいろな具材で作れますが、夏バテ予防を考えるとやはりサバが一番です。水分を除くとお弁当にも◎。彩りもきれいなので見た目だけでも食欲がわきますよ。野菜はパプリカや水菜、きゅうりやトマトなどでも美味しくいただけます。トマトを入れる時は種を除いて入れた方が水っぽくならず美味しくなります。暑い時期だからこそしっかり食べて暑さに負けない身体作りしましょう。この機会にぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
参考文献:
『暮らしのならわし十二か月』飛鳥新社
文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。