もち米、玄米、古代米etc.…ちょっと変わったお米で醸す日本酒色々

日本酒(清酒)とは、「米、米麹、水を原料として発酵させて、こしたもの」と酒税法で定義されている。逆に言うとこの条件さえ満たせば、日本酒を造る上でお米の種類自体が問われることはない。そこで今回は、酒米や食用米以外のお米を原料にした、ちょっと一風変わった日本酒について取り上げてみよう。

 

三段仕込みの後にもち米を加えて「もち米四段仕込み」に

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食用米に次いで私たちの生活に馴染みのあるお米と言えば、もち米である。もち米は餅作りだけでなく、赤飯、おこわ、中華ちまき、あるいは白玉粉や道明寺粉などに加工され和菓子の原料にも使われている。

日本酒業界でも戦時中から戦後にかけては食用米が不足していたため、もち米で酒を造る蔵元は多かった。ただ、もち米は蒸すと米粒同士がくっつく特性があって何かと扱いづらいため、やがて優れた酒米が登場するに伴い、もち米を使う蔵元は減少の一途をたどった。そのような中で福島の『花泉』は、普通酒を含む全銘柄で「もち米四段仕込み」を行っている。大半の日本酒はお米と麹米、水を3回に分けて仕込む三段仕込みで造られるが、さらに掛米として蒸したもち米を加え4回目の仕込みを行うというやり方だ。このひと手間によって、もち米由来の優しい旨味とコクが生まれるという。同じく長野の『旭の出乃勢正宗』、新潟の『姫の井』なども四段仕込みでもち米を使用している。

また岩手の月の輪酒造では、麹米、掛米共にもち米を使った純米酒『もちっ娘』を商品化している。蔵のある紫波町が全国一のもち米の産地であり、「地元の名産品を酒造りに活かしたい」との想いから誕生したとのことだ。

 

ワインのようなフルーティーな味わいを生む古代米の日本酒

ところで皆さんは古代米についてご存知だろうか。古代の稲の品種が持っていた特色を色濃く残した稲で、“赤米”、“緑米”“黒米”、“香り米”などの玄米に色や香りを持つ米が、品種改良の対象にもならずに今も一部地域で栽培され続けている。

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そんな古代米を使った、一風変わった日本酒造りに挑む蔵元が近頃増えている。例えば京都の『伊根満開』は、甘酸っぱさと米の風味が特徴のフルーティーな赤い日本酒で、原料には酒造好適米の“五百万石”と赤米の“紫こまち”を使用。国内外のミシュラン2つ星クラスのレストランでも提供されている。他にも奈良の『阿騎野物語』、茨城の『朝紫』、秋田の『X3 Rose』、栃木の『朱』、熊本の『緋穂』など、赤米を使った日本酒は各地で醸造されている。

また、新潟の『SHISUI』、青森の『縄文のささやき 紫三人娘』、岡山の『黒米の酒 紫乃皇帝』などは黒米(紫黒米)を原料としている。さらに栃木の西堀酒造では一切酒米を使わず、古代米(赤米+緑米)だけで醸した『愛・米・魅(I MY ME)金の純米酒』を2017年に商品化した。古代米は白米よりも多くのビタミンやミネラルを含み、玄米種皮にはアントシアニン系のポリフェノールが多く含まれるため、健康酒としても期待できそうだ。

 

健康成分の豊富な玄米が日本酒市場で光を放つ日は来るのか

最後は、玄米を使った日本酒である。もみ殻が邪魔をする影響で麹菌の繁殖が困難な玄米は、日本酒の原料としてはとても使いづらい。ただそのような悪条件を物ともせず、熊本の亀萬酒造、福岡の萬年亀酒造では、もみ殻を除いただけで精白していない精米歩合100%の玄米を原料として使用。濃厚でコクのある純米酒を醸して世に出している。また、和歌山では『九九.九』という名の、精米歩合99.9%のほぼ玄米酒と呼べる酒が2018年に誕生したばかりだ。

ビタミンB1、B2、Eが豊富でリノール酸や食物繊維が多い玄米は、健康志向が深まる昨今で何かと話題に上る食材の一つである。嗜好品である日本酒の世界でも、果たして今後玄米酒が脚光を浴びる日が来るのか、密かに注目していきたい。

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清酒からにごり酒まで多彩な味、香り、表情を持つ日本酒だが、もち米や古代米、玄米まで視野に入れると、その懐の深さに改めて驚かされる。2016年の春には、ミャンマー産インディカ米での清酒造りに京都の酒蔵が初めてチャレンジし、全国紙で取り上げられた。酒を切り口にしてお米の未来に思いを馳せると、これからの意外な可能性の広がりに興味は尽きない。

 

参考サイト:

農林水産省

http://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0206/03.html

KURAND
https://kurand.jp/22047/

たのしいお酒.jp
https://tanoshiiosake.jp/3851

花泉酒造合名会社
http://hanaizumi.ne.jp/work

『姫の井』といえば「もち米四段仕込み」 一徹に寒造りにこだわる女性蔵元
https://sirabee.com/2018/02/04/20161476969/?FROM_WEBVIEW

赤い日本酒「伊根満開」は冷酒よりも熱燗で飲むのがおすすめ!|メシ通
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/takayuki-okamoto/18-00196

株式会社さサンフォン
https://sanfon.jp/item/千代の松-赤米酒-阿騎野物語/

日光 吉田屋酒店
http://yoshidaya.ocnk.net/product/112

木内酒造合資会社
https://kodawari.cc/ec_shop/goods.php?no=56

金紋秋田酒造
http://www.kinmon-kosyu.com/shopdetail/000000000124/

西堀酒造
https://nishiborisyuzo.com/products-lp/

塩川酒造
http://www.niigata-sake.or.jp/interview/k41.html

眞照堂
http://www.shinshodo.jp/original/murasaki.html

室町酒造株式会社
http://sakuramuromachi.co.jp/product/古代米-黒米の酒-紫乃皇帝/

萬年亀 玄米日本酒 琥珀のつぶやき(まんねんがめ)【福岡県】|47NEWS
https://www.47news.jp/1085133.html

ほぼほぼ玄米酒!精米歩合なんと99.9%の米の旨味を最大限活かした日本酒「九九.九」登場|Japaaan
https://mag.japaaan.com/archives/79172

ミャンマー米で日本酒完成 将来は現地の普及目指す 京都の酒店と蔵元|産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/160822/wst1608220053-n1.html

管理栄養士が教える! 夏バテ予防抜群♪「サバを使ったマリネ」

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いよいよ夏本番。その年によって猛暑具合は違いますが、暑いことにかわりはありませんよね。暑さのせいで食欲がなくなったり、暑いからと冷たいものばかりを食べてしまって胃腸を壊したりと『夏バテ』と呼ばれる症状に陥る方も少なくないと思います。またこれだけ暑いと、ガスや電気でさらに気温が上がるキッチンに長時間立って調理するのもできるだけ避けたいところ。今回ご紹介するサバには、夏バテ予防に最適な栄養素がたくさん含まれています。さらに夏バテ予防だけでなく、少し涼しい時間帯などに事前に作っておくことによって、冷たい料理をサッと食卓に出すことのできる『作り置き』レシピになっています。

 

サバは昔からお盆時に贈りものとして送っていた!?

お盆の支度のことを指す『盆用意』をはじめ、祖霊を迎えるためのお墓や家の掃除を指す『盆路』など『お盆のならわし』が古くからありますが、その中に『刺鯖(さしさば)』と呼ばれるものがあります。『刺鯖』は背開きのサバを塩漬けにして、二尾を重ね頭のところで刺し連ねて一刺しにしたものです。お盆の頃のサバは脂が乗っていて美味しく、塩漬けにすることで良い保存食になります。昔から、もち米で炊いた飯を蓮の葉で包んだ『蓮の飯』と一緒に、健在の親や年長者の元へあいさつに伺う際の定番の贈りものとされていたようです。

 

サバの夏バテ予防効果

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『夏バテ』とは夏の暑さによる自律神経系の乱れによって現れるさまざま症状ですが、『夏バテ』とひと口に言ってもいくつかの症状に分類されます。代表的なのは全身の倦怠感である“身体がだるい・疲れやすい”症状、その他に“食欲不振”や“下痢・便秘”などがあります。サバには“身体がだるい・疲れやすい”夏バテを解消する際に必要な、脂肪や糖質の代謝を助ける働きのあるビタミンB2が多く含まれています。

さらにサバには、胃腸を強化して“食欲不振”の改善に有用なタンパク質やタンパク質の代謝を助ける働きのあるビタミンB6も多く含まれているため、夏バテには打って付けの食材です。また今回ご紹介するサバを使ったマリネは、マリネ液に含まれる酢の食欲増進効果も期待できるため暑い夏には特にオススメのレシピです。

 

◆彩り豊かなサバのマリネ

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<材料>

塩サバ(3枚おろしのものが食べやすくて◎)   4枚
紫玉ねぎ(普通の玉ねぎでもok)         小1個
ピーマン                    2個
人参                      1/2本
☆砂糖                     大さじ2
☆酢                      大さじ2
☆塩                      少々
☆オリーブオイル                大さじ2
小麦粉                     適量
油                       適量

<作り方>
① 塩サバは骨を抜いてからキッチンペーパーで包んで水気を取り、4~5等分くらいの大きさに切っておく
② 紫玉ねぎ・ピーマン・人参は千切りにしておく
③ ボウルか保存容器に☆の調味料と野菜を入れる
④ 油を入れて熱したフライパンに小麦粉をまぶした塩サバを入れ、揚げ焼きにする
⑤ ④ができたら軽く油をきってそのまま③に入れてなじませる
⑥ 30分くらいから食べられますが、味がしみ込んだ方がより美味しいです。
 全体にマリネ液が絡むように時々そっと混ぜてください

sabanomarine4※保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、3~4日くらいで食べきってください

 

私は特に暑くなるとサッパリとしたものが食べたくなります。作り置きしておくととても便利なマリネは今回のサバを使ったものの他にも鶏ムネ肉やハムなどいろいろな具材で作れますが、夏バテ予防を考えるとやはりサバが一番です。水分を除くとお弁当にも◎。彩りもきれいなので見た目だけでも食欲がわきますよ。野菜はパプリカや水菜、きゅうりやトマトなどでも美味しくいただけます。トマトを入れる時は種を除いて入れた方が水っぽくならず美味しくなります。暑い時期だからこそしっかり食べて暑さに負けない身体作りしましょう。この機会にぜひ作ってみてはいかがでしょうか。


参考文献:
『暮らしのならわし十二か月』飛鳥新社

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

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なぜお米からフルーティーな日本酒が造れるのか?  お米の香りを引き出す酵母の知識

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「お米はどんな香りがしますか?」と尋ねられたら、多くの人は炊きたてのご飯の香りを思い浮かべるだろう。その香りはほのかな甘さこそ感じさせるが、フルーツを思わせる要素は全くない。しかし吟醸酒好きならよくご存知のように、グラスからはなぜかリンゴやバナナ、メロン、巨峰、白桃のようなフルーティーな香りを確かに感じとることができる。果実生まれのワインならともかく、お米生まれの日本酒から果実の香りがするのは、よくよく考えると不思議な話ではないだろうか。ということで今回は、お米からフルーティーな香りを引き出す立役者=「酵母」について簡単にご紹介しよう。

 
フルーツと同じ香り成分が酵母の発酵によって生み出される 

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酵母は肉眼で見えない単細胞の菌類で、土や水の中、植物の葉・花・果実の表面、哺乳類・鳥類の皮膚や消化管などあらゆる場所に生息している。熟したぶどうの皮にも酵母がいるので、ぶどうを丸ごとつぶして容器に入れ、適度な温度に保てばワインができあがる。酵母がぶどうの中の糖類を利用してアルコール発酵するためである。

そして日本酒造りでも、元々は酒蔵内の壁や天井に生息していた酵母を醪(もろみ)に取り込み、自然発酵させる形で酒が造られていた。今でも一部で天然の蔵付き酵母にこだわった酒造りを続ける蔵元もある。ただ多くの蔵は失敗のリスクを避けるため、専門機関によって人工分離・培養された酵母を使っている。

そして吟醸酒特有のフルーティーな香りは、これらの酵母から生まれる。酵母は醪の中の糖分からエチルアルコールと炭酸ガスを生成するが、その中のカプロン酸エチル、酢酸イソアミルなどの成分がリンゴやメロンの香り成分と同じであり、このため吟醸香はフルーティーと言われるのである。

 

百花繚乱の酵母たちが蔵ごとの個性豊かな味と香りを創り出す

人工分離・培養された日本酒造りの酵母には、大きく3つのグループがある。一つ目は、最もポピュラーな「協会酵母」。日本醸造協会によって頒布されており、日本酒のラベルの酵母欄に「協会7号」「協会9号」などと書かれているものが該当する。二つ目が、全国の自治体や研究機関が作る「開発酵母」。福島県の「うつくしま夢酵母」や、秋田県の「秋田流花酵母AK-L」、長野県の「長野アルプス酵母」など、それぞれの土地の風土に適った酵母が次々と開発されている。三つ目が、花からの贈り物とも言うべき「花酵母」。ナデシコ、シャクナゲ、ヒマワリ、イチゴ、カトレアなどの花々から分離され、それぞれが個性豊かな香味を醸し出している。

これらの様々な酵母が、蔵ごとの日本酒の香りや味わいを支えているのだ。

 

日本酒の味と香りの傾向を知るには酵母の特性を知るのが早道

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ワインはぶどうの品種が味と香りをほぼ左右するため、例えばリースリングはアロマティックで繊細、ヴィオニエなら華やかな香りとトロトロの果実味といった風に、ぶどうの知識を抑えるのがワイン通を気取る早道である。それに対して日本酒の場合、原料米の情報だけで酒の味を事前にきき当てるのは、手練れの唎酒師でもたやすくはない。まして仕込水の硬度や杜氏の腕一つで味は大きく左右されるため、同じ山田錦で仕込んだ酒でも味は千差万別、振り幅は相当に広い。

 

しかし、各酵母の特徴を抑えておくと、味と香りの傾向をある程度予想することはできる。例えば協会系酵母なら、9号は華やかな吟醸香が特徴で、協会14号は9号より香りが穏やかで食中酒に向く。また山形酵母、うつくしま夢酵母は香り高く味わいがマイルド、アルプス酵母はデリシャスリンゴの香り、静岡酵母はメロンの香り、そして花酵母はまさにそれぞれの花の香りがベースとなっている。こうして雑学レベルで知っておくだけで、日本酒の楽しみ方が一段と広がるので、ぜひ参考にしていただければと思う。

 

 

花酵母の他にも、赤色清酒酵母やワイン酵母などを使って、固定観念に縛られない新たな日本酒造りに挑む酒蔵が増えている。その一方で、清酒酵母からアミノ酸などの美肌エキスを抽出し美容液として商品化した酒蔵もある。さらに医学界では、清酒酵母が持つ抗うつ効果や、アルコール性肝炎の顕著な治癒効果に注目が集まっている。

「発酵の母」である酵母は、お米から香りを引き出すだけでなく、日本酒そのものが持つ無限の可能性をも引き出す鍵を握っているのかも知れない。

 

参考サイト:

KURAND

https://kurand.jp/blog/sake-kobo/

https://kurand.jp/28965/

たのしいお酒.jp
https://tanoshiiosake.jp/2508

東京農大花酵母研究会

http://www.hanakoubo.jp/about/index.html

第一酵母株式会社
https://www.daiichikobo.com/hpgen/HPB/entries/97.html

【夏レシピ】管理栄養士が教える!「ツナ缶で手軽に作る冷や汁」

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梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。大雨が降ったと思えば、太陽が顔を出すとグッと気温が上がります。そんな天気の変化が続いたり、暑い日ばかりだと食欲もなくなってしまいますよね。「冷たい麺類ばかり食べるのも飽きてきたし、野菜やお魚も食べたい!」そんな時は、簡単に作れて食欲増進効果もある「冷や汁」はいかがでしょうか。冷や汁は宮崎県をはじめ、埼玉県や山形県など様々な地方で夏の郷土料理として食べられています。地方によって作り方や具材などは多少異なるようですが、基本的にはお出汁とお味噌で味を付けた冷たい汁物料理のこと。今回は宮崎県の郷土料理である冷や汁のアレンジレシピ。本来は鯵などの干物を焼いて加えますが、ツナ缶を使って手軽に作ってみました。これからどんどん暑くなるからこそ、ごはんと野菜、魚などをしっかり食べて夏バテしない身体作りを心がけましょう。

 

殺菌作用だけではない! 大葉は夏にうってつけの理由とは?

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大葉(青紫蘇)は初夏から夏にかけて旬を迎える薬味の1つ。冷奴にお刺身など脇役としてよく見かける食材ですが、実は大葉には、夏にうってつけの栄養素がたっぷり入っているのです。大葉が持つ特有の清々しい香り、それはペリルアルデヒドという芳香成分によるものです。このペリルアルデヒドは防腐・殺菌作用だけでなく、食欲増進作用や健胃作用・整腸作用などが知られています。暑い夏になるとつい冷たいものを食べたり飲んだりしたくなります。そのせいで弱ってしまう胃や腸の回復効果が期待できます。

次に注目するのはβ-カロテン。β-カロテンは、紫外線や暑さのストレスにより増加する活性酸素の発生を抑える抗酸化作用を有しているため、夏には積極的に摂取したい栄養素の1つです。β-カロテンと言えば人参が挙げられる程、人参には含有率が多いですが、大葉はその人参よりも100g当たりの含有量は多くなります。しかし薬味として使われることが多いため、一度にたくさん食べる機会が少ないのも事実。この機会に、大葉をたっぷり使った冷や汁を食べてみてはいかがでしょうか。

 

エネルギー変換に不可欠なナイアシンが豊富なマグロやカツオを手軽に

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ツナ缶には、原料がマグロとカツオの2種類があるのをご存じでしたか。手軽にお魚を食べられるので私はいつも家にストックしています。マグロやカツオにはビタミンB群の1つであるナイアシンが豊富に含まれています。ナイアシンは、糖質や脂質・タンパク質などがエネルギーに変換する際に補酵素として働くため、エネルギー維持の欠かせない夏には必須の栄養素です。通常の食事では不足することはないと言われていますが、冷たいデザートや麺類だけといった食事では不足する可能性があります。素麺にツナ缶を加えたりと、手軽に取り入れられることが缶詰のメリットなので是非お試しください。

 

◆ツナ缶で手軽に作る 冷や汁

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<材料>     

ナス(中)      3本

きゅうり       1本

豆腐         1丁

ツナ缶(小:70g/缶) 2缶

出汁         800cc

味噌         大さじ7

みりん        小さじ1

すり胡麻       大さじ2

大葉         適宜

ミョウガ       適宜

ごはん        適宜

 

<作り方>

① ナスは皮を何本か剥いて縦半分に切り、薄く切って塩水にさらしておく

② きゅうりはよく洗って縦半分に切り、薄くスライスする

③ ツナ缶は油を切っておく

④ 大葉とミョウガは千切りにする

⑤ 出汁に味噌を溶き、みりんとすり胡麻と③を加える

⑥ 豆腐を食べやすい大きさに切って⑤に加える

⑦ ①のナスをよく絞り⑥に加える

⑧ きゅうりを⑦に加える

⑨ ⑧を冷蔵庫で冷やす

⑩ ごはんに⑨をかけ、大葉やミョウガをのせて完成

本来は大きなすり鉢で作ることの多い冷や汁ですが、大きなすり鉢がある家庭も少ないと思いますので今回はお鍋で作ってみました。ご飯に冷や汁をかけることで暑い夏で食欲不振になっている時でもご飯が食べやすくなります。ついついおかわりしてしまう程です。

 

参考サイト:

厚生労働省 e-ヘルスネット「カロテノイド」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html

東京理科大学 研究戦略・産学連携センター「シソの香りによる腸炎の緩和」
http://www.tus.ac.jp/today/20180326001.pdf

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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【季節の行事レシピ】管理栄養士が教える「お米づくりの節目“半夏生”にいただく『タコ料理』」

一年でもっとも日が長く夜が短い夏至を迎えると、いよいよ夏に向けて暑さも増していきます。「半夏生ず(はんげしょうず)」という言葉を聞いたことがありますか? 以前は夏至から数えて11日目、七十二候の末候にあたる日を指していました。現在は黄経※100度の点を太陽が通る日とされており、例年7月2日あたりになります。「半夏」とは「カラスビシャク」という薬草の漢名で、この時期に花をつけることから「半夏生ず」と言われているそうです。この時期は農家にとってとても大事なことから雑節のひとつ「半夏生(はんげしょう)」としてお米づくりの節目とされていました。

hangeshou1▲サトイモ科の植物「カラスビシャク」。コルク層を除いた塊茎は、「ハンゲ」という生薬として用いられる

※黄経:地球から見て、太陽が一年かけて地球を巡る軌道を黄道と言います。その塩の軌道上で、春分の日の太陽の位置を0度として(夏至が90度、秋分が180度、冬至が270度)、太陽が何度の位置にあるかによって今日が何の日にあたるかを測ります。その角度のことを言います。

 

お米づくりに大切な「半夏生」とは?

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古来、夏至から数えて11日目にあたる半夏生までに田植えを終えていないと、秋の収穫の実りが減る(=半分になる)と言われており、「半夏半作(はんげはんさく)」「半夏半毛(はんげはんけ)」といった言葉があったほど。また、半夏生の日に降る雨のことを「半夏雨(はんげあめ)」といい、この日の天気によって一年の豊作を占う習わしや、この日に雨が降るとそれをきっかけに大雨が続くという言われなどがあります。さらに、かつては半夏雨には毒気が含まれていると考えられており、井戸に蓋をして備えたという驚きの慣習も。また、田植えを見届けた田の神様が、田んぼから天へ昇るときの雨だという言い伝えが残る地域もあるようです。

 

農家の労をねぎらう半夏生の行事食

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この日は、田植えを済ませた農家が休息をとる日ともされており、各地に半夏生に食べる行事食の風習が残っています。なかでも有名なのが、関西地方で食べられているというタコ。稲の根がタコの足のように、多くしっかり張るようにと願い食べ始めたのが発祥だとか。香川ではかつて、田植えや麦刈りを手伝ってくれた人たちのために、半夏生にうどんをうって振る舞っていた由縁から、7月2日は「うどんの日」となったと言われています。

また、福井県では昔から半夏生の日に丸焼きのサバを食べる習慣があるようです。江戸時代に福井県の東部、越前大野の殿様が、田植えで疲れた体を癒し、暑い夏を乗り切るために、領民に奨励したのが始まりだそう。今では夏バテ防止のスタミナ食として、県内全域でおなじみの行事食となっています。

半夏生の日に食べられていたタコやうどん、サバの中から、今回はタコを使ったサッパリしたごはんのおともをご紹介します。


◆タコとオクラのサッパリ和え

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<材料>
タコ(茹でたもの)   80g
オクラ         1袋
長芋          70g
生姜          1カケ
白だし         大さじ1程度

<作り方>
① オクラはサッと茹でて食べやすい大きさに切っておく
② 長芋は皮をむいて食べやすい大きさに切っておく
③ 生姜はみじん切りにし、タコは食べやすい大きさに切っておく
④ ボウルなどに白だしと生姜を入れて軽く混ぜ、タコ・オクラ・長芋を入れてよくなじませるように混ぜたら出来上がり

半夏生に欠かせないタコを使ったサッパリ和えは、オクラや長芋の粘り気が白だしや生姜などと絡んでとても美味しい一品です。オクラの他にきゅうりでも美味しくできます。サッパリしていますが、しっかりとした味付けなのでごはんのおともはもちろん、ごはんにかけても美味しくいただけます。お酒のおつまみとしても◎。これから暑くなり食欲がなくなる時期にも最適です。切って和えるだけのとっても簡単レシピなので、この機会に作ってみてはいかがでしょうか。


参考サイト:
半夏生さば - 越前おおの観光ガイド
https://www.ono-kankou.jp/tourism/detail.php?cd=488

福井の和食 | 福井県観光情報ホームページ ふくいドットコム
http://www.fuku-e.com/wasyoku/dento_detail.php?id=10

 

参考文献
『日本の七十二候を楽しむ』東邦出版
『日本の365日を愛おしむ』東邦出版
『暮らしのならわし十二か月』飛鳥新社

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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