【初夏レシピ】管理栄養士が教える「ビタミンD含有率トップ!!きくらげのふりかけ」

 

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これまで、きくらげと言えばほとんどが中国産でしたが、近年では国内産のきくらげに出会うことも珍しくはありません。食の安全性が叫ばれるようになったことも影響して、日本国内でも積極的に栽培されるようになったと言われています。

春から秋にかけて収穫されるきくらげですが、梅雨や秋雨の時期になると、収穫量が増えるとか。生きくらげは主に、熊本県や茨城県で生産されています。中華料理の材料として馴染み深いきくらげですが、国内産のきくらげが出回るようになってからは家庭の食卓にのぼることも珍しくないのではないでしょうか。そんなきくらげに含まれる栄養素や、ごはんと一緒に食べると美味しいレシピをご紹介します。

 

意外と多いきくらげの鉄含有

女性に多い鉄欠乏性貧血。鉄が不足すると赤血球中のヘモグロビンが減り、赤血球が減少することで酸素の供給が十分にできない状態のことを言います。鉄欠乏になることで貧血だけでなはく、無気力や食欲不振などの症状を引き起こします。一般的に人の体内に3~5g存在している鉄ですが、そのうち70%は赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに存在。残りは肝臓や筋肉などに貯蔵されています。きくらげには鉄が比較的多く含有しており、鉄欠乏性貧血で悩む人やその予防に効果が期待できるのです。

 

食品中でトップクラスのビタミンD含有

ビタミンDは脂溶性のビタミンで、カルシウムの吸収や利用に欠かせない栄養素です。カルシウムだけを摂取していても、ビタミンDが不足していると骨量が減り、骨粗鬆症になる恐れがあります。ビタミンDには植物性由来のビタミンD2と、動物性由来のビタミンD3があります。ビタミンDはきのこ類に多く含まれる栄養素ですが、きくらげは動物性・植物性を合わせた中でも含有率が高く、カルシウムも含んでいる優秀な食材。ビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで吸収率が増します。今回のレシピでは、きくらげをごま油で炒めることで、ビタミンDの吸収率アップを図っています。

 

きくらげとごはんの関係

ごはんには、銅というミネラルが多く含まれています。銅は、エネルギー生成や鉄代謝などに関与する重要な栄養素で、体内に取り込まれるとセルロプラスミンという形で全身に輸送されます。このセルロプラスミンはヘモグロビンの合成に必須の酵素であるため、鉄が十分にあったとしても銅が不足すると貧血につながってしまうことに。そこで、銅を多く含むごはんと、鉄を比較的多く含むきくらげを一緒に食べることで、鉄欠乏性貧血の改善や予防につながります。

 


きくらげのふりかけ

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<材料>
きくらげ      20g
ひじき       10g
かつおぶし     5g
胡麻        大さじ2
ごま油       大さじ1
☆みりん      大さじ2
☆砂糖       大さじ1と1/2
☆濃口醤油     大さじ3

 

<作り方>
① きくらげとひじきは水でサッと洗い、それぞれたっぷりの水につけて戻す
  ※浸水時間については商品によって異なるため、それぞれの説明書を参考にしてください
② ひじきが戻ったらザルに上げて、水気をきっておく(長い場合は1センチ程の長さに切る)
③ きくらげが戻ったら細い千切りにし、さらに1センチほどの長さに切る
④ フライパンにごま油を熱し、きくらげとひじきを入れて炒める
⑤ ☆の調味料を回し入れて汁気がなくなるまで煮詰める
⑥ 胡麻とかつおぶしを入れ、混ぜれば完成

★清潔な保存容器に入れて1~2週間程度冷蔵庫で保存できます

 

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ごはんのおともとして食べることはもちろん、ごはんに混ぜておにぎりにしても美味しいです。鉄もカルシウムも、日本人が不足しがちな栄養素。きくらげはどちらも含有している心強い食材です。ぜひお試しください。


参考サイト:
e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
厚生労働省資料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042638.pdf
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114400.pdf

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

【おばあちゃんちの常備菜】歯ごたえの中に野山の香りが吹き抜ける「きゃらぶき」

 

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ふきを佃煮風に煮たものを「きゃらぶき」といいます。きゃらぶきの「きゃら」は、伽羅煮(きゃらに)の意味で、これは醤油を使って伽羅色(茶色がかった黄褐色)に煮あげるためにこう呼ばれるのだそうです。

といっても、よく見かける市販のきゃらぶきは、「真っ黒に近い色に煮たふきの佃煮」ではないでしょうか。味も色も濃く煮たきゃらぶきもおいしいものですが、新鮮なふきが手に入った時は、なるべくその名の通りの伽羅色に煮あげて、あっさりテイストのきゃらぶきを作ってみませんか?

 

きゃらぶきの作り方

<材料>
ふき(野ふきなど細いもの)の茎部分 
塩(板ずり用)
★醤油、砂糖、みりん、酒=2.5:1:1:1の割合を基本に好みで調節を。
 *簡単に作るなら濃縮だしを少し薄めて使ってもよい。
好みで、タカノツメ、ごま油など

 

① ふきを洗う。根元や筋のへこみなどに汚れがついていることが多いので丁寧に。

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② 洗ったふきをまな板の上にひろげ、塩を多めにふってまな板の上でごろごろと転がすようにする(板ずり)
③ ②のふきの塩を洗い流してから熱湯で2~3分ゆで、水にとって冷ます。

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④ 1時間経ったあたりで水を替え、もう1時間程度水にさらす。

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⑤ 太いもの、筋が多いものは皮をむく。根元を少し折ってそこからひっぱるようにするとむきやすい。

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⑥ 好みの長さに切りそろえる。やや長めにしておいた方が、後でアレンジはしやすい。

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*細めで皮が柔らかいふきを使う時や、野趣あふれる味を好む場合は、洗ったふきを好みの長さに切ってから軽く塩ゆでするだけでもOK。

⑦ 浅い鍋かフライパン(テフロン加工のものがおすすめ)にふきと★で合わせた調味料を入れて強火で煮る。調味料の量はふきが軽く浸る程度。

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⑧ 調味料が煮立ったら弱火にして煮含めていく。ふきの食感が残る程度で火を止めて味を含ませる。
*タカノツメやごま油を加える時は、火を止める前に。

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*味付けはあまり神経質にならなくても大丈夫。保存性を考えて醤油を多めにしてもよし、砂糖多めの甘いふきに仕上げてもよし。ただし、くれぐれも煮すぎには注意。

 

きゃらぶきの味わい方

噛むたびにふきならではの風味が香るきゃらぶきは、ごはんによく合うのはいわずもがな。炊きたてごはんに添えても、お茶漬けやおにぎりの具にしても味わい深いものです。

酢飯とも合うので、巻き寿司の具に使うのもよいでしょう。きゃらぶきとゆでた三つ葉だけを芯にした細巻きは、酒のつまみとしてもしゃれています。また、きゃらぶきを刻んで使うことも試してみてください。より食べやすくなり、子どもさんにも喜ばれるでしょう。

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きゃらぶきの保存法

味をやや濃いめに作れば冷蔵庫で1週間程度は保存できますが、心配なら冷凍も可能。小分けにして冷凍しておくと、お弁当作りなどにも役立ちます。

作りすぎた時や冷蔵保存しても使い切れない時には、チャーハンや雑炊の具として使うほか、卵と相性が良いので卵焼きやオムライスに使うのもおすすめです。

また、時にはサンショウやゴマなどと合わせると、また違う風味で楽しむことができて飽きません。写真は、刻んだきゃらぶきに、砕いた甘湯葉、木の芽、すりごまを混ぜています。箸休めとして、またおにぎりの具としてもぴったりです。

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新鮮なふきさえ手に入れば、きゃらぶきは簡単に作れます。店頭でふきを見かけたら、あるいは野山でふきを摘んで作ってみませんか。保存料や添加物なしで作ったきゃらぶきは、ほのかに苦いふきの風味が生きていて「きゃらぶきってこんな鮮やかな味だったの?」と驚かされること請け合い。

日本人が古くから愛してきたごはんのおとものひとつ、きゃらぶきの味わいを再確認してみましょう。

 

文:松本葉子
食と旅を専門とするフリーランスライター。全国の飲食店のほか、農家、牧場、漁協など生産現場での取材を元にした記事を雑誌、webなどで執筆。自身の料理スキルを生かした記事執筆や食品企業へのレシピ提供も行う。

飲んでよし、塗ってよし、浸かってよしのスキンケア。なぜ日本酒は美肌に効くのか

日本酒の中にはお米自体の成分に加え、複雑な醸造工程から生まれる100種類以上の天然有効成分がたっぷりと息づいている。その中で、今回は特に美肌に効くと言われる日本酒の成分に着目。飲んでよし、塗ってよし、浸かってよしのスキンケアについてご紹介したい。

 

日本酒はコラーゲンを生成し保湿を促すアミノ酸の宝庫

日本酒には、旨味とコクの成分であるアミノ酸がワインの10倍以上も含まれ、酒類の中ではダントツに多い。そして日本酒に含まれる20種以上のアミノ酸のうち、プロリンとアルギニンはコラーゲンの原料であり、この二つを摂ることでコラーゲンの生成が促され、ハリと弾力のある肌を保つことにつながる。

また日本酒には、天然保湿因子を構成するセリン、グリシン、アラニン、スレオニン、アスパラギン酸といったアミノ酸も含まれているため、肌の潤いを保つのに効果的だ。ついでに付け加えると、同じく日本酒に含まれているアミノ酸のリジン、プロリン、アルギニンなどは脂肪の燃焼を促すため、ダイエットにも効果的である。

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杜氏の手肌が白くて美しいのは日本酒の美肌パワーの賜物

酒造りの工程で麹菌が発酵すると、コウジ酸という発酵代謝物質が生み出される。コウジ酸は紫外線を浴びた肌の炎症を防ぎ、活性酸素の発生を抑えるため、適量の日本酒はシミの元になるメラニン色素の生成を抑え、しわとたるみを防いでくれる。

コウジ酸は厚生労働省が認定した美白成分であり、医療の世界でも肝斑や日光黒子といったシミの治療薬として活用されている。酒造りに勤しむ杜氏の手が白くてスベスベとしているのも、主にコウジ酸の働きに負うところが大きい。
加えて日本酒には、細胞を活性化させ老化を防ぐポリフェノールの一種フェルラ酸が含まれているため、コウジ酸と相まってダブルのアンチエイジング効果が期待できる。

 

角質層を取り除き、肌にツヤを与えるその他の日本酒成分

乳酸、リンゴ酸、シトラス酸、クエン酸など、フルーツによく含まれている天然のフルーツ酸は、古くなった角質層を溶かすピーリング効果を持つ。そして日本酒にはこのフルーツ酸が含まれているため、適量の日本酒は皮膚の新陳代謝を促すと共に、保湿成分が浸透しやすくなり乾燥肌の改善につながる。
また、日本酒に多く含まれるアデノシンは血管拡張作用があり、血液中の栄養素を体の隅々まで行きわたらせるため、肌に自然な輝きとツヤをもたらしてくれる。

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化粧水、日本酒風呂など肌からの摂取も美白と保湿に効果的

さて、上に挙げた美肌成分は、飲むだけでなく肌から直接摂取することもできる。実際に日本酒の美容成分は多くのスキンケア化粧品に応用され、日本酒を使った化粧水も数多く商品化されている。
肌から直接美肌効果を得るためには、例えば次のような方法がある。
(※お酒が弱い人や敏感肌の人は、必ず腕の内側などでパッチテストをしてから使用すること。)

・日本酒化粧水
殺菌した清潔な容器に純米酒と精製水を1:1~1:2の割合で入れ、グリセリン数滴を垂らしてよく混ぜるだけでOK。添加物が入っていないため、冷蔵庫で保管して1週間をメドに使い切るのが鉄則である。

・日本酒風呂
37〜38℃のぬるめのお風呂にコップ2〜3杯(360〜540cc)の日本酒を入れ、ゆっくりと時間をかけて浸かる。アミノ酸の保湿効果で肌がツルツルになる上、美白効果も高く、なおかつ血行が良くなるため発汗効果とリラックス効果も期待できる。なお、老廃物がしっかり体から排出されるため、体を洗ってから湯船に浸かるのがおすすめ。上がった後はシャワーなどで流さない方がデトックス効果は長持ちする。

・酒粕パック
日本酒そのものに加え、酒粕を使ったパックも美白と保湿には効果的だ。作り方は、ビニール袋の中に酒粕100gと精製水120〜150mlを入れて混ぜ合わせるだけ。塗ってから10〜15分程度経つと酒粕が乾いてくるので、ぬるま湯できれいに洗い流す。

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高級な化粧品を使わなくても、お手頃価格の日本酒でナチュラルなスキンケアができるのはうれしい限りだ。
そして最後にもう一つ。美肌とはやや趣旨が異なるが、日本酒を染み込ませたコットンで爪を磨くとツヤが出てピカピカになるので、一度お試しいただければと思う。

参考サイト:
http://josei-bigaku.jp/nihonsyukouka5179/
https://bitomos.com/archives/2666
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/121800040/030500011/
http://www.te-mari.jp/whitening/nihonsyu.html
https://50s-women.com/sake/
https://joshi-riki.jp/archives/9468
http://sake-cosme.com/?p=1184

タイ発のスーパーフード"ライスベリー"の気になる栄養価や味わい方を現地から紹介

 

健康志向への高まりから、お米などの炭水化物を抜く”糖質制限ダイエット”を行っている方も多いかもしれない。そもそも、食事から極端に糖質を排除するこうしたダイエットの是非についても盛んに意見が交わされているが、食べることで健康にも良いと言われているお米が存在していることをご存知だろうか? それがタイ発のスーパーフード、“ライスベリー”である。今回はタイに在住する筆者が現地で実際に見た、ライスベリーの実態や効能について紹介したい。

 

ライスベリーとは?

ライスベリーとは、2003年にタイの大学の研究機関で誕生した新しい品種のお米である。ご存知の通り常夏の国であるタイは年中暑いため、自然と体が欲して糖分を多く摂るようになる。タイのコーヒースタンドで購入するコーヒーなどは激甘なのだ。そのためタイ国内では糖尿病患者が増加し、近年大きな社会問題ともなっている。そのタイ人の健康を促進するために開発されたのがこのライスベリーなのだ。

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ライスベリーの特徴

パッと見ですぐに分かる、普通のお米とライスベリーの違いはその色にある。収穫前の外観からも明らかなように、紫色なのだ。紫色をした食品といえばポリフェノール。当然このライスベリーもポリフェノールを豊富に含んでいる。

ポリフェノールは抗酸化作用が強く、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防に役立つと言われている。また美肌効果やアレルギーの改善なども期待できるが、水溶性で水に溶けやすいのが欠点。ところが水分を吸収して炊きあがるお米であれば、余すところなくそのポリフェノール成分を摂り入れることが出来るのだ。

ライスベリーには他にもルテイン、オメガ3,y-オリザノール、亜鉛、鉄分、各種ビタミンなどの成分が含まれている。特に通常我々が食しているお米には含まれない、ルテイン、オメガ3,y-オリザノールなどの美容と健康にも良い成分を含まれているのは非常に嬉しいのではないだろうか。

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ライスベリーの食べ方・味わい

ライスベリーが体に良いらしいことはよく分かった。しかし食品である以上、美味しくなければ意味がない。ではライスベリーの味わいはどのようなものだろうか?

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ライスベリーはタイ米の最高級品種であるジャスミンライスと、黒ジャスミンライスをかけ合わせて作られた品種であるため、お米自体も非常に美味しい。通常パラッとした食感のタイ米であるが、このライスベリーはそれよりも少しモッチリとした味わいが最大の特徴だ。そのため、我々日本人にとってもより食べやすいと思われる。

通常のお米と同じように炊いて食べるほか、白米と半々にブレンドするなど、様々な食べ方がある。また、お粥にしても美味しくいただける(タイ米をさらに美味しく炊き上げる方法については、筆者が以前に著した『日本人の常識を覆す!タイ米の美味しい炊き方と味わい方』の記事をご覧いただきたい)。

バンコクでは自然志向のレストランやカフェなどでライスベリーが提供されているほか、最近では街なかのフードコートなどでも気軽に食べられるようになってきた。元々タイは白米以外にも赤米やもち米など、食事(おかず)に合わせてお米を食べる文化があるため、紫色というちょっと変わった外見のライスベリーもすんなりと受け入れられているようだ。

また食事としてだけではなく、ライスベリーを使ったお菓子やドリンク(!)などがコンビニでも販売されており、タイ国内でのライスベリーの広がり方をうかがい知ることができる。

 

ライスベリーの日本での広まり方

バンコク市内では、スーパーなどで気軽にライスベリーを購入することができる。

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写真は筆者の家の近くのスーパーで撮ったものだが、このように普通に棚に陳列されている。価格は1kgで105バーツ(約350円)なので、普通の米と比べるとやはり若干割高ではあるが、日本人の感覚としては全く問題のない値段であろう。

日本では国際食品の見本市、『FOODEX JAPAN2016』で初めてこのライスベリーが紹介された。日本国内では現在のところタイ食材を扱う専門店や、ネットショップでも購入可能のようだ。

現状、ライスベリーの日本での広がり方はまだまだこれから、といったところだが、健康意識の高い人たちの間で徐々に注目を浴びるようになってきている。さらに健康食品として食べるのはもちろん、日本には紫色をした食材が限られているため、キャラ弁の食材としても一部で熱い視線が注がれているという。

 

いかがだっただろうか? 日本ではまだ馴染みの薄いライスベリーであるが、もともと健康食品として開発されたという経緯や、タイ米の高級品種・ジャスミンライスがベースになっていることから、食べて美味しく、体にも良いというまさに『スーパーフード』という肩書に恥じない食材であることがおわかりいただけただろう。日本でもブーム到来が近いとされるライスベリー。いち早くあなたのご家庭でもお試しあれ。

 

文:dctyk
タイ在住のライターで、日本にも拠点を持つ。日本とタイを行き来しながら、タイの食文化を探る日々を送る。タイ人直伝の米の炊き方を元に、湯取り法にたどり着いた。お酒に関する造形も深い。

【初夏レシピ】管理栄養士が教える「魚介類トップクラスのビタミンA含有!!ホタルイカの佃煮」

 

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春になると、日本海全域と太平洋の一部で獲れるホタルイカ。腕や腹部に発光器を持ち、蛍のように青く光ることから名づけられたと言われています。夜に定置網によって獲れるホタルイカですが、富山県の富山湾では、幻想的な網揚げの光景が国の特別天然記念物になっている程です。ホタルイカのシーズンは3月~5月。頻繁にスーパーに並ぶものではありませんが、この旬の時期にぜひ食べてみてはいかがでしょうか。

 

タウリンの効果で肝機能の改善に

ホタルイカは含硫アミノ酸であるタウリンを多く含んでいます。イカ・タコなどの軟体動物に多く含まれており、するめの表面に見られる白い粉はタウリンが凝縮したものです。ヒトにも心臓をはじめ筋肉や肝臓などに含まれています。「身体を正常に保持する性質(恒常性)」を持つタウリンは、血圧を正常に保つ作用も。さらに、肝細胞再生の促進や胆汁酸分泌を促すことで肝機能の改善も期待でき、脂肪肝改善にも効果があるという報告があります。

 

ビタミンEや銅も豊富

ビタミンEは、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミン。紫外線やストレスなどの要因により、活性酸素が増加してシミやしわなどの老化の原因になります。強力な抗酸化作用をもつビタミンEは活性酸素と結合して細胞を酸化させるのを防ぐことで老化防止につながるのです。さらにビタミンEは毛細血管を拡張する作用があるため、冷えや肩こりなどの血行不良による末梢循環障害の改善につながります。

銅は鉄から作られるヘモグロビンを運ぶために重要な栄養素であるため、銅不足により貧血になることが知られています。さらに身体の中で酵素となって働き、骨の形成などに関与する大切な栄養素です。ホタルイカには、これらの効果を発揮するビタミンEや銅が豊富に含まれています。

シミやしわなどの老化は、紫外線やストレスなどで活性酸素が増加することが原因といわれています。ビタミンEは強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、活性酸素と結合し、細胞を酸化させるのを防ぐことで、老化防止につなげてくれます。さらにビタミンEは毛細血管を拡張する作用があるため、冷えや肩こりなどの血行不良による末梢循環障害の改善につながります。

銅は鉄から作られるヘモグロビンを運ぶために重要な栄養素であるため、銅不足により貧血になることが知られています。さらに身体の中で酵素となって働き、骨の形成などに関与する大切な栄養素。ホタルイカには、これらの効果を発揮するビタミンEや銅が豊富に含まれているのです。

 

ビタミンAは魚介類の中でトップクラス

ホタルイカはその小ささから1匹丸ごと食べるため、内臓も取り除くことなく一緒に食べられます。そのため、内臓に多く含まれるビタミンAが大変豊富に含まれています。ビタミンAは目や皮膚・粘膜に関する効果が知られています。網膜や角膜の細胞を正常に保ち、疲れ目の防止や視力の低下を防ぐ効果の他、皮膚や粘膜の働きを上昇させるため、肌のハリやつやがアップするなどの美肌効果も期待できるのです。さらに、ビタミンE同様抗酸化作用を持っているため、老化防止や動脈硬化の予防にも役立ちます。

 

ホタルイカに多く含まれるビタミンAとお米の関係

お米は亜鉛が比較的多く含まれています。亜鉛はビタミンAの抗酸化作用の活性化に関わる効果が認められており、成長を促進し味覚正常化などに関与しています。ホタルイカに多く含まれるビタミンAの抗酸化作用を活性化するためには亜鉛が欠かせないため、お米を一緒に摂取することで抗酸化作用を活性化し、より一層老化防止や動脈硬化の予防が期待できます。

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ビタミンA過剰による影響

ビタミンAは脂溶性ビタミンで身体に蓄積しやすいことから、上限が定められています。妊娠中にも必要なビタミンAですが、動物由来のビタミンA(レチノール)の過剰摂取は胎児の奇形に影響があることが報告されており、特に妊娠初期には注意が必要です。ホタルイカに含まれるビタミンAも動物由来のレチノールです。食べ過ぎには注意してください。大きさにもよりますが1日に15匹~20匹以上食べてしまうと、上限を超えてしまう恐れがあります。

 

ホタルイカの佃煮

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<材料>
ホタルイカ(ボイル済み) 80g
ミョウガ 1個
☆砂糖 大さじ1
☆酒 大さじ1
☆醤油 大さじ1
みりん 大さじ1

 

<作り方>
① ホタルイカは目と口を取り除き、水で洗って水気を切っておく
② ミョウガは千切りにする
③ 鍋に☆を入れて加熱し、砂糖が溶けたら①と②を入れて煮汁が少なくなるまで煮る
④ 最後にみりんを入れて煮汁がなくなったら完成

☆保存容器に入れ、冷蔵庫で1週間を目安に食べきってください。

 

参考サイト:
http://www.hotaruika-toyama.com/
http://agri-renkei.jp/news/docs/20150109seminar_takeuchi.pdf

 

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

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