【季節の行事レシピ】管理栄養士が教える「端午の節句に手作りできる簡単『ちまき』」

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街なかで鯉のぼりを見かけることが増えてきました。五月五日は国民の祝日『こどもの日』として定着しており、鯉のぼりを上げ柏餅やちまきを食べて男の子の成長を祝う日となっています。1948年に“子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかると共に母に感謝する”ことを目的に『こどもの日』とされたようです。五月五日である端午の節句にはどのような意味が込められているのでしょうか。またなぜ柏餅やちまきを食べるようになったのでしょうか。これらの風習についてご紹介します。

 

端午の節句の由来

五節句の起源はいずれも、古代中国で邪気を祓う様々な儀式が行われていたことに由来しています。節句とは昔から、月と日に同じ奇数が二つ重なることでめでたくもあり注意が必要な忌み日とされていました。そのため、これらの日には神様をお迎えしてご馳走を供えおもてなしを欠かさず、禊(みそぎ)と祓いをすることになったと言われています。 

『端午の節句』は江戸幕府が定めた『五節句』の一つで、元来『菖蒲の節句』と言われていました。五月五日は、奈良時代や平安時代には新緑の時期に薬を取りに野山へ出かけ、その薬効で邪気を祓う節目の日だったそう。それが後に菖蒲と尚武(武道や武勇を尊ぶという意)の語呂合わせなどから、武家が重んじる行事に。江戸時代には男の子の成長や武運を願って鎧や太刀を贈り、川を上る鯉にちなんで立身出世を期して鯉のぼりが上げられるようになりました。鯉のぼりに五色の吹き流しを掲げるのは、川を上る間に龍に食べられないように、という魔よけの意味があるそうです。

端午とは『最初の午の日』という意味で本来は五月初めの午の日に行われていましたが、午と五の音が通じることから五月五日になったとの記述も。また五が重なることから『重五の節句』とも言われることがあるようです。

 

端午の節句に食べる柏餅とちまきの意味とは?

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端午の節句には柏餅やちまきを食べる風習があります。関東では柏餅、関西ではちまきを食べることが多いようです。また、鹿児島県では灰汁(あく)まきを食べます。

柏餅は上新粉で作った餡入りの餅を柏の葉で包んで蒸したもので、地方によって柏の葉の種類はさまざまです。柏の葉は古代から食器や調理する際に使われており、関東地方ではブナ科のものをが、関西では山帰来(さんきらい)の葉を使うところが多いようです。柏は「譲り葉」と呼ばれ、柏の古い葉は新芽が育つまで落葉しないことから、家系が絶えない縁起物として端午の節句にふさわしいものとされました。

ちまきは紀元前の中国(楚の国)で政治家だった屈原(くつげん)の命日である五月五日に、その霊を弔うために作られたという中国の故事に由来しています。人々は国王の逆鱗に触れて川へ身投げをした屈原の霊を弔うために川に供え物を投げましたが、龍がすべて食べてしまいました。そこで、龍が嫌いなセンダンの葉で餅を包み五色の糸で縛って川へ流したことがはじまりだそう。日本には平安時代に伝来し、邪気を払うものとして宮中で端午の儀式に使用されました。その後関西を中心に、保存食・携帯食として主食的な調理や菓子に発展。昔は茅(ちがや)の葉で餅やもち米を包み、三角や紡錘形に巻いてイ草でしばって蒸していたため「茅巻き」と呼ばれていました。今では熊笹の葉を使うことが多いようです。


◆豆腐入り!ヘルシーで簡単な『ちまき』の作り方

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<材料>
上新粉     80g
白玉粉     40g
砂糖      30g~50g
豆腐      100g
※砂糖は30gだと甘さひかえめです。お好みによりますが、40gくらいがオススメです

<作り方>
① 食品用のビニール袋に上新粉と白玉粉、・砂糖を入れて口をしっかり閉じて軽く振り混ぜ、その中に豆腐を加えてよく混ぜる

② まとまってきたら袋の上から20回ほどしっかり捏ねる

③ ②を5等分して円錐形になるように形を整える
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④ 鍋にたっぷりの水を入れて加熱し、沸騰したら③を入れて茹でる(浮かんできてからさらに1分くらい)
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⑤ 茹で終わったら粗熱が取れるまで冷水をはったボウルに入れる

⑥ キッチンペペーパーで水気をとり、1つ1つラップで包む

⑦ さらに緑色の包装紙・折り紙やセロハンなどで包んだら完成

※豆腐や粉の種類によってかたさが変わります。耳たぶくらいのかたさになるように、かたければ豆腐を、柔らかければ粉を加えて調節してください

端午の節句、せっかくだから手作りしたいという方に簡単に作っていただけるちまきです。本当は笹の葉で包んだ方が香りもして美味しさも増すのですが、笹の葉が手に入らない時もあると思いますので、より手軽に作っていただけるレシピにしました。捏ねたり、形を作る工程、また包装紙でのラッピングはお子様と一緒にすることもできますよ。ゴールデンウィーク中のこどもの日、子どもたちの健やかな成長を願って是非手作りしてみませんか。


参考文献
『親子で楽しむものしりBOOK 食で知ろう 季節の行事』/高橋司/長崎出版株式会社/2008年
『年中行事・記念日から引ける 子どもに伝えたい食育歳時記』/新藤由喜子/株式会社きょうせい/2008年
『暮らしのならわし十二か月』/白井明大/株式会社 飛鳥新社/2014年
『和のくらし・旧暦入門』/洋泉社

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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芳醇なお米の雫が滴るとき。清酒誕生の瞬間=上槽(搾り)について

仕込みが終わって醪(もろみ)が完成すると、残すは醪を搾る工程のみである。日本酒業界では、この作業を上槽(じょうそう)と言う。元々は船の形に似た槽(ふね)という道具を用いて酒を搾っていたことから、そう呼ばれるようになった。醸造中の酒は生き物であり、同じ醪でも搾り方一つで味わいは微妙に変わる。一筋縄では行かない深遠な世界が、そこには潜んでいる。

 

醪は搾られた瞬間に初めて法的に日本酒となれる

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上槽(搾り)とは、お粥状にでき上がった醪を、液体(酒)と固体(酒粕)に分ける作業のことである。日本の酒税法では、醪を搾らなければ日本酒と名乗ることはできない。

洗米工程からここまでたどり着くのに約6週間。最終的にどのタイミングで上槽を行うかは、醪の状態や成分の検査などを十分行った後に杜氏が決断する。

 

方法は、一般的には大きく次の3つに分けられる。

一つ目は、自動圧搾ろ過機を使った搾り。アコーディオンのような蛇腹状の圧搾機の中に醪を流し込み、両側から空気圧を加えて酒を搾る。開発したメーカー名(薮田産業)にちなんで通称“ヤブタ”と呼ばれることが多く、全国の酒蔵で最も一般的な方法である。搾る時間が短いので酒が酸化しない上、しっかり搾れるという利点はあるが、醪に強い圧力をかけるため大吟醸などデリケートな酒には不向きだ。

 

大吟醸には、醪にストレスをかけない昔ながらの槽搾りを

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二つ目は、昔ながらの「槽搾り」。目の粗い布製の酒袋に醪を詰め、槽の中に重ね並べて醪自身の重みだけで搾った後、最後に上から圧力をかけて酒を搾る。搾る時間が長くなるため酒を酸化させないよう注意が必要だが、醪にストレスをかけないため雑味のない上品な酒質が得られる。そのため多くの酒蔵が大吟醸については槽で搾っている。

なお槽搾りでは、最初に自重だけで搾られた淡く濁ったフレッシュな酒は「あらばしり」、中頃の酒質が安定した透明な酒は「中取り(中汲み)」、最後に圧力をかけて搾った度数の高い酒は「責め」と呼ばれている。中でも澄んだ味わいと落ち着いた香りを持つ中取りは、日本酒の一番良い部分として珍重されており、中取りだけを瓶詰めし限定販売している地酒蔵も少なくない。

 

鑑評会用には自然の重力だけで滴り落ちる珠玉の雫を出品

三つ目は、最も繊細で贅沢な「雫搾り」(または「雫取り」「袋吊り」)。主に鑑評会出品酒のために用いられる方法である。酒袋に醪を詰めてタンクの中に吊るし、自然の重力だけで滴り落ちる「雫」の部分だけを斗瓶(10升の瓶)で採取する。搾るというより、ポタポタと染み出てくるのを待つイメージだ。

雫搾りをすると酒として必要な成分だけが抽出され、雑味が一切出てこないため、大吟醸クラスの酒が本来備えたポテンシャルが存分に引き出される。但し量がほとんど取れずコストがかかるため、鑑評会出品酒やギフト仕様のような限られた用途だけに用いられている。

 

遠心分離機を使った最新の上槽システムも登場

酒の搾り方で通常取り上げるのはこの3つだが、最後にあと一つ、近年注目の新技術をご紹介しよう。遠心力を利用した「吟醸もろみ上槽システム」である。

具体的には醪を遠心分離機のタンクに入れ、冷却しながら高速回転させることで酒と酒粕を分離する。こうして搾られた酒は、冷却された密閉空間で醪を分離するため高い吟醸香が残り、雫搾りと遜色のない香味の酒質をより少ない労力で得ることができる。洗浄の容易なステンレス製機器を使用するため,衛生管理さえ徹底すれば特別なノウハウがなくても酒質を劣化させる恐れもない。

最大の欠点は、一台約2千万円以上と高額なこと。それでも山口の『獺祭』をはじめ、新潟の『北雪』、宮城の『勝山』、栃木の『開華』、広島の『一代弥山』など、全国で10を超える酒蔵がこの最新技術を使った上槽を取り入れている。

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搾り方にまで目配りする人は少ないかも知れないが、地酒に注力している酒販店の冷蔵庫を覗いてみると、「中取り」「斗瓶囲い」「雫取り」などの札が貼られた特別な大吟醸にお目にかかれる。少々値は張るものの、数千円で購入できるので高級ワインよりは格段にお手頃だ。ふだん口にする日本酒とは異次元の豊穣な世界が広がるので、ぜひ一度お試しいただければと思う。

 

参考サイト:

KURAND

https://kurand.jp/14454/

株式会社南部美人
https://www.nanbubijin.co.jp/kodawari/shibori/

SAKETIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_tobindori

日本酒のすすめ
http://日本酒.biz/category15/entry126.html

遠心分離方式による新しい上槽システムの 開発と普及
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/109/8/109_550/_pdf/-char/ja

酒造工程のクライマックス。醪(もろみ)造りと三段仕込み

酒造工程のキモである「一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)」のうち、製麴酛造り(酒母造り)については既にご紹介した。今回は、総仕上げとも言える「造り」(以下「仕込み」)について取り上げよう。お米が酒に変わるプロセスは、ここでいよいよクライマックスを迎えることになる。

 

雑菌の繁殖を防ぐ先人の知恵=三段仕込み

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仕込みとは醪(もろみ)を造る工程のことであり、醪とは日本酒になる直前の、酒母、麹、蒸米が一体となって発酵した白い液体のことを指す。用いる原材料は、掛米(蒸米)、水、麹、酒母の4つ。手順は、仕込み用タンクに入れた酒母の中に、4日間かけて原材料を3回に分けて投入する「三段仕込み」が一般的だ。では、なぜわざわざ三段階に分けて仕込むという手間をかけるのか?

醪は開放状態のタンクで発酵させるため、常に空気中の雑菌等に汚染されるリスクにさらされている。そのような環境の下、大量の水・麹・掛米を1回でタンクに投入すると、醪の中の乳酸や酵母の密度が薄まって雑菌が繁殖してしまう。そこで3回に分けて材料を投入することにより、酸が一気に薄まってしまうのを避け、酵母の繁殖を確実に促しながら安全に醪が発酵する環境を整えているのだ。

 

仕込み工程で一番大切な「踊り」とは?

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三段仕込みにおいては、酒母の中へ掛米、麹、水を投入する初日の工程は「初添(はつぞえ)」、中1日置いてから行う3日目の工程は「仲添(なかぞえ)」、続く4日目の最終工程は「留添(とめぞえ)」と呼ばれている。

初添と仲添の間で中1日置く理由は何か? 醪の中の酵母にとっては、たとえ少量でも掛米と麹と水が投入されたことによって、生育環境は大きく変化したことになる。そこで仕込みを1日休んで、酵母を新しい環境になじませてやる必要があるのだ。

あえて何もしないこの日の工程は「踊り」と呼ばれている。階段の踊り場のようなニュアンスであるが、実は仕込みの中で最も重要とされている。こうして醪を丸1日踊らせている間に酵母は着実に増殖し、醪の表面にはフツフツと筋状の泡が出始めて、一歩ずつおいしい酒へと近づいていくのである。

 

お米の糖化とアルコール発酵が同時に進行

「踊り」が済むと仕込みの再開である。第2段階の仲添では初添の2倍量の掛米、麹、水を投入し、最終段階の留添では仲添の2倍量の掛米、麹、水を投入する。この間には原料の投入や酵母の増殖、アルコール発酵、及び醪の液状化等による温度変化がひっきりなしに起きるため、外気温や酒米の特徴、麹の出来などを考慮しながら仕込みの温度を微調整していく必要がある。この辺りはまさに杜氏の腕の見せ所と言えるだろう。

こうして4日間をかけた三段仕込みが終わると、あとは低温状態をキープしながら約3〜4週間かけて慎重に発酵状態を管理し、醪が完成するのを待つことになる。

この間タンク内の醪の中では、麹の酵素による蒸米の糖化と、酵母によるアルコール発酵が同時に行われている(並行複発酵)。この日本酒独自の発酵技術のおかげもあって、発酵終了時点での醪のアルコール分は20%にまで達するが、これは醸造酒としては稀に見る高い度数である。なお酒税法上では、出来上がった醪を濾せば「清酒(濁り酒を含む)」になり、そのまま製品化すれば「どぶろく」になる。その辺りについてはまた別の機会に掘り下げたい。

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室町時代に書かれた日本最古の酒造技術書『御酒之日記(ごしゅのにっき)』には、三段仕込みの原点となる醪造りの技法をはじめ、乳酸菌発酵、加熱殺菌についても細かく記されているというから驚きである。

酒造りの世界で受け継がれてきた先人の知恵の数々は、まさに日本が世界に誇れる技術遺産と言っても過言ではない。

 

参考サイト:

KURAND

https://kurand.jp/blog/danjikomi/

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/段仕込み
https://ja.wikipedia.org/wiki/御酒之日記

SAKETIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_3shikomi
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_g_danjikomi

八海山
http://www.hakkaisan.co.jp/syoko/sakagura/kodawari/kodawari12

日本酒「楯野川」
http://www.tatenokawa.jp/ja/sake/brand/toranomaki/07.html

食楽web「もろみ造り」=仕込みとは?【前編】

https://www.syokuraku-web.com/column/6878/

【季節の行事レシピ】管理栄養士が教える「お祝いに欠かせない『お赤飯』」

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桜の季節は卒園や卒業、入学などのお祝い事が増えるシーズン。お赤飯を囲んで家族でお祝いする、というご家庭も少なくないと思います。卒・入学式をはじめ、お食い初めや節句、結婚式などの人生の節目に欠かせないお赤飯。なぜ日本人はお祝いの時にお赤飯を食べるようになったのでしょうか。ハレの日に欠かせないお赤飯ですが、その歴史と伝統の継承を目的として11月23日*の勤労感謝の日が『お赤飯の日』と制定されているようです。

*皇極天皇の時代から、11月23日(新嘗祭)にお赤飯の起源と言われている赤米などの五穀を奉納してきました。現代でも全国各地で、11月23日に五穀を祭る伝統が継承されています。

 

縁起がいいお赤飯の歴史

お赤飯は本来、赤米を蒸したものだったようです。日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると信じられており、おめでたい色とされていました。さらにお米が高級な食べ物であったことから、赤米を炊いて神様に供えるという風習があったようです。赤米とは、縄文時代に日本に伝わってきたお米で、炊きあがるとお赤飯のような色になります。一般庶民の多くは江戸時代の前くらいまで赤米を食べていましたが、稲作技術の発展による品種改良により現在のお米へと変化。しかし、赤い色のご飯を神様に供える習慣は根強く残ったため、白いお米に小豆などで色付けしたものがお赤飯として広まったと考えられています。

おこわの一種であるお赤飯ですが、ハレの日の食べ物という意味もあります。その際南天が添えられるのは、『難を転じて福』という『難転』の語呂合わせからだけでなく、南天は縁起の良い木と言われている点、さらに南天の葉は防腐作用や解毒作用などもあり喘息や強壮薬にも使われているなど、先人の経験と知恵によって習慣化されたものだと考えられています。


地域が変われば素材も変わる、ご当地のお赤飯

現在ではもち米と小豆で作るのが一般的ですが、地域によってさまざまです。北海道では元々小豆を使った赤飯が一般的でしたが、食紅や甘納豆を用いて作るように変化していきました。開発者である『光塩学園女子短期大学』の初代学長によると、「忙しくても子どもたちに美味しいものを食べさせたい」という思いで作られたそう。手軽に作れ、子どもたちが喜ぶ赤飯として『甘納豆赤飯』は北海道内で一気に普及しました。

その他、鹿児島県奄美大島ではハーヤーマンという赤紫色の山芋とうるち米で炊くお赤飯があり、新潟県では『醤油赤飯』と呼ばれる醤油おこわもあります。また、関東では腹切れ(種皮が破れること)をしないことが武士の間で好まれたことから、今でもお赤飯には小豆ではなくささげを使った『ささげ赤飯』が食べられています。

 

小豆は高タンパク低脂質な健康食品

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お赤飯は特別なお祝いの日に作られ、『赤飯』・『強飯(こわめし)』・『おこわ』などと呼ばれてきました。もち米に小豆やささげを入れて蒸し上げる『蒸しおこわ』が一般的ですが、もち米にうるち米を混ぜて小豆などと一緒に炊き上げる『炊きおこわ』もあります。

小豆は乾燥豆の重量の約半分が炭水化物、タンパク質は約20%含んでいるのに対し脂質は約2%程度。『高タンパク低脂質』な小豆は健康食品としても注目されており、ダイエットにも効果的だと言われています。お米に不足している必須アミノ酸のリジンとスレオニンを小豆が補ってくれるためアミノ酸バランスがよく、タンパク質の栄養価が高くなります。


◆炊飯器でつくる『お赤飯』
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<材料> 4合分
もち米       3合
うるち米      1合
小豆        100g(60g~100g程度)
塩         小さじ1
ごま塩       少々


<作り方>
① もち米とうるち米を一緒に研ぎ、ザルにあげて30分くらい置いておく

② 小豆は洗って鍋に入れ、少なめの水(ひたひたよりも少し多いくらい)を加えて加熱する

③ ②が沸騰したら火を止めてザルにあげてゆで汁を捨てる

④ ③に再び水(800ml)を入れて小豆を固めにゆでる
(指でギュッとつまんでつぶれるくらい、30分くらいが目安)

⑤ ④をザルにあげ、ゆで汁を下記写真のようにしておたまですくい、上の方から何度か落として空気に触れさせる(空気に触れさせることでより濃い色になります)
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⑥ 炊飯器にお米と⑤のゆで汁をおこわの目盛りまで入れて30分程浸水させる
(おこわの目盛りがない場合は通常のごはんの目盛りよりも少しすくなめの水加減に)
  ※ゆで汁が足りない時は水を足してください

⑦ ⑥に塩を入れて軽く混ぜ、小豆を入れて炊飯する

⑧ 炊きあがったら混ぜて器に盛り、ごま塩をかけて完成

蒸し器で作る蒸しお赤飯ももちろんおいしいですが、手軽さを重視したい時は炊飯器が◎。少しうるち米を入れることで冷めてもかたくなりにくいだけでなく、小さいお子さまも食べやすくなります。お赤飯が残った場合は冷蔵庫にいれるのではなく、ラップや保存容器に入れて冷凍しましょう。卒・入学シーズン、手軽にできるお赤飯を作って家族そろってお祝いしてみてはいかがでしょうか。

参考文献:
『親子で楽しむものしりBOOK 食で知ろう 季節の行事』/高橋司/長崎出版株式会社/2008年
『年中行事・記念日から引ける 子どもに伝えたい食育歳時記』/新藤由喜子/株式会社きょうせい/2008年
参考サイト:
公益財団法人 日本豆類協会 https://www.mame.or.jp/
赤飯文化啓発協会|お赤飯の歴史 http://www.osekihan.jp/history.html
北海道Likers http://www.hokkaidolikers.com/articles/2102
光塩学園調理製菓専門学校 https://chouri.koen.ac.jp/blog/2018/08/post-724.html

文:カベルネmama
管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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【季節の行事レシピ】管理栄養士が教える「春彼岸に欠かせない炊飯器で作る簡単『ぼたもち』」

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春分の日。それは春に太陽がちょうど真東から上り真西に沈む日であり、昼と夜の長さがほとんど同じ一日のことで、この日から少しずつ昼の時間の方が長くなります。日本では古くから太陽信仰があったため、この日は特別な日として神に『かいもち』を捧げていました。日本に仏教が伝来されてから、この日を中日として前後三日ずつの合わせて七日間を『春の彼岸』と言うように。1948年から春分の日(例年3月20日〜21日頃の1日)は、『自然をたたえ、生物をいつくしむ』という趣旨の国民の休日となっています。

 

仏教行事を起源としたお彼岸の風習と『ぼたもち』の由来

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仏教で『彼岸』とは、現世に対しての一切の悩みを捨て去って悟りの境地に達することを言います。また、仏様やご先祖が住む極楽浄土は西の方角にあるとわれており、春分や秋分の日前後三日を加えた七日間は極楽浄土が近くなる時期だと考えられていました。そのためこの時期にご先祖の墓参りをし、ご先祖の魂を供養する『彼岸』の仏教行事になったと言われています。お彼岸の初日を『彼岸の入り』、最終日を『彼岸明け』と言います。このならわしは仏教行事ですがインドや中国では見られない日本固有の慣習です。

 

また、お彼岸にはぼたもちを作り、仏前にお供えしてご先祖の霊を供養する風習があります。ぼたもちの名前の由来は諸説あり、サンスクリット語の「bhukta」やパーリー語の「bhutta」などの「飯」を意味する言葉から『ぼた』となり、「mridn’ mudu」などのやわらかい意味の言葉から『もち』となり『ぼたもち』となった。また小豆を花に見立てて春に咲く牡丹から名前がつけられた、などさまざまな説があります。

 

さらに、ぼたもちの他に『おはぎ』と呼ばれることもあります。前述したように春彼岸は春に咲く牡丹から『牡丹餅』と呼ばれますが、秋彼岸は秋に咲く萩から『お萩』と呼ばれるようになったという説。はたまた、もち米で作ったものを『ぼたもち』、うるち米で作ったものを『おはぎ』と呼んだり、こしあんをつけたものを『ぼたもち』、つぶあんをつけたものを『おはぎ』と呼ぶなど、呼び名もさまざまです。ぼたもちについての名前や呼び名の由来は諸説ありますが、基本的にはおもちを小豆あんでくるんだもののことを指します。

 

神聖な食材であるもち米・小豆をつかい、栄養も豊富!

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おもちは古くから神事に使われる神聖な食材であり、神や精霊が宿ると信じられてきました。そのためおもちは、特にハレの日の食べ物でした。また、小豆の持っている赤い色は邪気を払うとされており、それを仏壇やお墓に供えることが本来意味するもので、私たちはそのお下がりをいただいているのです。

小豆はタンパク質の原料でもあるアミノ酸が豊富に含まれている上、アミノ酸組成が優れているためタンパク質を効率よく摂取することができます。小豆はその他にもビタミンB1、ビタミンB2、不溶性食物繊維を多く含んでいます。ぼたもちは神聖で栄養豊富な上、食べ物が大変貴重であった時代には特に腹もちもよいスーパーフードだったのです。

 

◆炊飯器で作る『ぼたもち』

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<材料>  10個分

もち米       1合

うるち米      1合

砂糖        大さじ2

水          350ml

小豆あん      500g

 

<作り方>

① もち米とうるち米を研いだ後水をよくきっておく

② ①を炊飯器に入れ、水と砂糖を加えて通常モードで炊飯する(通常のごはんの水深メモリよりも少し少なめにします)

③ ごはんが炊きあがったらボウルに移し、熱いうちにすりこぎなどでついてつぶす

④ ③を10等分し、1つずつ丸めておく

⑤ 小豆あんを10等分し、1つをラップに広げその真ん中に④をのせてくるみ形を整えて完成

 

ぼたもちは本来もち米100%で作りますが、うるち米を加えることで時間が経ってもかたくなりにくいぼたもちになります。ぼたもちを作るのは少し面倒だと思っていた方もいらっしゃると思いますが、炊飯器で炊くことでとても簡単に出来上がります。

小豆あんは市販のものでもよいですし、あんこから手作りするのも◎。また小豆以外にもきな粉やごまをまぶして食べるのも美味しいですね。甘さなどを自分好みにできることが手作りの最大のメリットです。今年のお彼岸は炊飯器でできる簡単なぼたもちを作ってみませんか。

 

参考文献:

『年中行事・記念日から引ける 子どもに伝えたい食育歳時記』ぎょうせい/新藤由喜子/著(2008年)

『暮らしならわし十二か月』飛鳥新社/白井明大著(2014年)

『親子で楽しむものしりbook 食で知ろう 季節の行事』/長崎出版/高橋司著(2008年)

 

文:カベルネmama

管理栄養士、食生活アドバイザー2級の資格を保持。保育園で献立作成や食育を担当していた経験を持つ。現在は幼い3人の息子の育児をしながらレシピ記事作成を行う。料理を作ること・食べることが大好き。子どもたちのため、栄養たっぷりで簡単に作れ、喜んで食べてくれるものを考案する日々を送る。

 

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